heritage 霊芝山 明行寺(みょうぎょうじ) 浄土真宗本願寺派 ☆☆☆ 豊後街道 イチョウ 夏目漱石 シダレザクラ

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〒869-2307 熊本県阿蘇市小里157   標高:479.9m 地図 GMAP 0967-32-0237 
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歴史

当寺の縁起等は不詳。分かり次第追記します。

明治32年(1899)8月、夏目漱石は山川信次郎とともに阿蘇登山をした。明治39年(1906)その体験を元に『二百十日』が発表された。 同書の中に下記のくだりがある。ここで言われている「寺」が明行寺のことである。 今でもイチョウの木は健在。(2021-03-20記)

「寺が一軒あった」

「それから」

「銀杏の樹が一本、門前にあった」

「それから」

「銀杏の樹から本堂まで、一丁半ばかり、石が敷き詰めてあった。非常に細長い寺だった」

這入(はい)って見たかい」

「やめて来た」

また、この登山の時に利用した温泉「養神亭」は、山王閣という名前で現在も続いている。当寺より徒歩8分。南東方向である。当宿での場面を一部抜粋する。

「ともかくもか、ハハハ。君ほど、ともかくもの好きな男はないね。それで、あしたになると、ともかくも饂飩(うどん)を食おうと云うんだろう。――姉さん、ビールもついでに持ってくるんだ。玉子とビールだ。分ったろうね」

「ビールはござりまっせん」

「ビールがない?――君ビールはないとさ。何だか日本の領地でないような気がする。情けない所だ」

「なければ、飲まなくっても、いいさ」と圭さんはまた泰然たる挨拶をする。

「ビールはござりませんばってん、恵比寿ならござります」

「ハハハハいよいよ妙になって来た。おい君ビールでない恵比寿があるって云うんだが、その恵比寿でも飲んで見るかね」

「うん、飲んでもいい。――その恵比寿はやっぱり(びん)這入(はい)ってるんだろうね、姉さん」と圭さんはこの時ようやく下女に話しかけた。

「ねえ」と下女は肥後訛(ひごなまり)の返事をする。

「じゃ、ともかくもその栓を抜いてね。(びん)ごと、ここへ持っておいで」

「ねえ」  下女は心得貌(こころえがお)に起って行く。幅の狭い唐縮緬(とうちりめん)をちょきり結びに御臀(おしり)の上へ乗せて、(かすり)筒袖(つつそで)をつんつるてんに着ている。髪だけは一種異様の束髪(そくはつ)に、だいぶ碌さんと圭さんの(たん)を寒からしめたようだ。

門前の道は豊後街道である。

ひとくちメモ

境内の大銀杏・しだれ桜は樹勢盛ん。 鐘楼は熊本地震(2016)で損壊。現在復興中とのこと。(2021-07-27記)

肝心要の本堂の撮影を失念しました。すみません。

写真

  • 本堂前面の天井
    本堂前面の天井 
  • 2016年、熊本地震で損壊した鐘楼跡(復興中)
    2016年、熊本地震で損壊した鐘楼跡(復興中) 
  • 門前の風景
    門前の風景 
  • 境内の多数のしだれ桜
    境内の多数のしだれ桜 

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