heritage 牛頭山 谷川寺(こくせんじ) 真言宗大覚寺派 ★★☆ H 行基 仁王門 伊藤氏参拝済 木造薬師如来立像のご開帳

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〒834-0074 福岡県八女市立花町谷川565   標高:77.3m 地図 GMAP 0943-37-0090 
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歴史

境内の案内板の内容をそのまま記載する。

(福岡県指定文化財)木造薬師如来立像(平成5年7月日県指定)

谷川寺(こくせんじ)は、 奈良時代の神亀(じんき)5年(728)聖武(しょうむ)天皇の勅願を受けて、 高僧・行基(ぎょうき)が開いたと伝えられる寺院です。

本尊は薬師如来立像(やくしにょらいりゅうぞう)で、本堂の厨子(ずし)の中に、 秘仏として祀られています。 薬師如来は病を癒すことをはじめ、現世のさまざまな苦しみや災いから人々を救ってくれる仏です。 谷川寺の薬師如来立像は、左手に薬壷を持ち、右の(てのひら)を正面に向けて、 蓮の花の上に直立する姿をしています。 像高は96.5cm。像の全体を一本のカヤの木から彫りだしています。 量感の豊かな体つきや、強い意志を感じさせる顔立ちは、 平安時代前期に制作された仏像の特徴をよく示しています。

薬師如来像の左右には、日光菩薩像(にっこうぼさつぞう)月光菩薩像(がっこうぼさつぞう)がひかえています。 谷川寺にはこの他にも、たくさんの仏像が安置されています。 これらの仏像は谷川寺がたどってきた長い信仰の歴史を現代に伝えてくれます。

平成16年3月 立花町教育委員会

伊藤氏メモ創建以後の谷川寺については、『筑後地鑑』によると、建久5年(1194)に源頼朝が再興し、梶原を目代とし、熊野別当湛増を幹事としたといい、上棟の銘刻は金剛勝寺にあるとする。『南筑明覧』では梶原は梶原源太郎影季(かげすえ)とされ、兼松村の源太山は谷川寺再興のときに影季がしばらくいた仮居の跡であるという。現在も八女市立花町大字兼松字高山に「源太」の地名が残る。影季は梶原影時の長男で、源平争乱における佐々木高綱との宇治川の先陣争いで著名な武将である。湛増は、紀伊熊野山の新宮別当であった僧で、源平争乱では源義経の要請で熊野海賊を率い、屋島・志度・壇ノ浦の戦いで活躍した。(『九州の寺社シリーズ19筑後八女 谷川寺』より)()

かつては50年に一度だけ開帳されていたが、現在は年に二度2月、7月の大祭の時に拝むことができるようである。

仁王門の案内板の内容を下記に示す。

谷川寺の木造仁王像(町指定文化財)

この仁王像は谷川寺と共に神亀5年(728)僧行基の作だと伝えられています。高さ2m有余、筋骨隆々、眼光鋭く、お寺と共に道行く人たちを見守っています。 しかし、長い歳月と風雨に晒され、損傷醜く、その保持が懸念されていました。

平成14年福岡市博物館の文化財展に展示されましたが、これを機会にと結縁無縁の人たちの善意を受け、 山門と共に立派に修復することができました。(後略)

(九州の寺社シリーズ19)筑後八女 谷川寺』(九州歴史資料館)によれば、上のほかに下記の 寺宝があると言う。作者も一部撮影できた。

  • 十二神将立像(桧材 一本造 刻眼 像高:平均21cm 江戸時代 )
  • 菩薩形立像(針葉樹材 一本造 刻眼 漆箔 像高:大体135.5cm 平安時代)※下に写真あり。
  • 大日如来坐像(桧材 寄木造 玉眼 像高:46.2cm 江戸時代)
  • 不動明王坐像(木造 寄木造 玉眼 彩色 像高:68.5cm 江戸時代)※下に写真あり。
  • 弘法大師坐像(木造 寄木造 玉眼 彩色 像高:53.5cm 江戸時代)
  • 阿弥陀如来坐像(木造 寄木造 玉眼 漆箔 像高:46.7cm 江戸時代)※下に写真あり。
  • 歓喜天像(木造 一本造 玉眼 漆箔 像高:9.5cm 江戸時代)※下に写真あり。
  • 十二天立像(桧材 寄木造 玉眼 彩色 像高:平均51cm 江戸時代 )
  • その他仏画・典籍多数

ひとくちメモ

谷川寺は、有明海にその流れを注ぐ矢部川のすぐ南の辻の山の南側中腹に伽藍を構えている。 門前では像高2mの仁王様が参拝者を迎えてくれる。 この仁王様は4頭身くらいで正面から拝むとアニメ系のおちゃめなお顔に見えるが、横から拝むと 筋肉隆々・その眼は鋭く、泣く子も黙るような怖いお姿をされている。

長い石段を登ると、本堂・庫裏がある。 に初めてお参りしたが、境内を散策しているとちょうど住職の奥様と思しき方がおられて気さくに 「本堂に上がりませんか」と声をかけて頂いた。 本堂内は古仏の宝の山である!! 少し大げさかもしれないが、本来なら博物館のガラス越しにしか拝めない仏像が多数安置されている。 写真撮影もOKを頂いた。感謝感謝である。

また、本堂前にも多数の石仏があり古いもの好きの作者にとっては至福の一時であった。

さらに、奥様より上の歴史項で参照した『(九州の寺社シリーズ19)筑後八女 谷川寺』(九州歴史資料館)も頂いた。 自宅に戻り、じっくり読み返して見ると、どうやら境内は裏山にも広がっているようである。 次回お参りの時はそこにも登ってみよう。

最後に、谷川寺には多数の古仏が安置されているが、その保存環境は良くない。 これはお寺だけで解決できる問題ではない。 福岡県・八女市などの自治体などがもっとサポートできないものか? また、我々もどんどんお参りしてお賽銭のカンパを納めることに努力しよう。 勿論お寺本来の業務のお邪魔にならない程度でちゃんとマナーは守って。

写真

  • 本堂
    本堂 
  • 本堂内の荘厳(緊張してピンボケ)
    本堂内の荘厳(緊張してピンボケ) 
  • 不動明王像(像高68.5cm)、阿弥陀如来像(像高66.7cm)いずれも江戸期、(フラッシュ未使用の為見づらい)
    不動明王像(像高68.5cm)、阿弥陀如来像(像高66.7cm)いずれも江戸期、(フラッシュ未使用の為見づらい) 
  • 本堂前の仏像
    本堂前の仏像 
  • 境内の仏像
    境内の仏像 
  • 境内の観音像
    境内の観音像 
  • 光明真言碑 - 本堂に向かって左側の高台
    光明真言碑 - 本堂に向かって左側の高台 
  • 元禄4年銘の石燈篭
    元禄4年銘の石燈篭 
  • 境内より仁王門を望む
    境内より仁王門を望む 
  • 谷川寺のワンちゃん
    谷川寺のワンちゃん 
  • 仁王像
    仁王像 
  • 仁王像
    仁王像 
  • 仁王像
    仁王像 
  • 仁王像
    仁王像 

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