heritage 上報山龍園院 泉福寺(せんぷくじ) [泉福寺] 西山浄土宗 ★☆☆ 幸阿上人 宗像四国東部霊場第54番

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〒811-3512 福岡県宗像市鐘崎千代川467   標高:5.9m 地図 GMAP 0940-62-1026  ホームページ
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歴史

天福元年(1233)初夏、九州行脚中の西山浄土宗総本山光明寺第3世・幸阿上人が、上八村(こうじょうむら)[1]に開山した。

元和2年(1616)、第3世団空上人によって現在地に移転した。 当時、記念樹を多数移植したが、長年の風雪災害に遭い、現存する(えのき)一本を残し姿を消した。 平成9年(1997)、枯死寸前となったその榎は樹木医の懸命の手当により見事に救われた。

寛文4年(1664)、第8世照空上人は梵鐘の鋳造を発願。 有志よりの浄財の喜捨を受け、寛文5年(1665)8月、即非禅師[2]を訪れ、「沈鐘伝説[3]の銘文を請い、発願より8年後の寛文12年(1672)4月に目的が達成された。

当梵鐘は本堂内に保管されている。(以上 境内の案内板(平成12年銘)より)

ひとくちメモ

鐘崎港は寺のすぐ西側である。 周囲は漁港となっていて玄界灘・漁師町の風情。散策するにはもってこいの場所である。

山門脇には福岡県文化財指定天然記念物に指定されている巨大な(えのき)の木がある。 樹木医の手当てを受け痛々しいが、樹勢は盛んである。 また、県文化財指定寛文12年(1672)銘の梵鐘もあるとのことであるが、本堂内に保管されているとのことでまだ拝んでいない。

他に、観音堂・八十八体の石仏・藤棚などもみられる。

写真

  • 本堂の扁額
    本堂の扁額 
  • 山門
    山門 
  • 観音堂
    観音堂 
  • 観音堂内(上段は三十三観音と思われる。 下段には多数の仏像が祀られている)
    観音堂内(上段は三十三観音と思われる。 下段には多数の仏像が祀られている) 
  • 鐘楼(近年改装されたようだ)
    鐘楼(近年改装されたようだ) 
  • 東側の山門(「通用門」と表示されているが立派な山門である。)
    東側の山門(「通用門」と表示されているが立派な山門である。) 
  • 門前の風景(山門を覆っている榎は樹勢盛ん)
    門前の風景(山門を覆っている榎は樹勢盛ん) 
  • 境内風景 - 本堂を背にして撮影
    境内風景 - 本堂を背にして撮影 
  • 八十八体(?)の石仏群
    八十八体(?)の石仏群 
  • 八十八体(?)の石仏群
    八十八体(?)の石仏群 
  • 観音堂脇の石仏群
    観音堂脇の石仏群 
  • 藤棚
    藤棚 
  • 榎
    榎 
  • 榎の根本(添え木(石)で支えられている)
    榎の根本(添え木(石)で支えられている) 
  • 梵鐘(県指定の文化財の鐘は本堂に保管されている)
    梵鐘(県指定の文化財の鐘は本堂に保管されている) 
  • 遠景 - 織幡神社社殿前より望遠にて撮影
    遠景 - 織幡神社社殿前より望遠にて撮影 
  • 超遠景(泉福寺は赤丸内) - 織幡神社社殿前より撮影
    超遠景(泉福寺は赤丸内) - 織幡神社社殿前より撮影 

鐘崎港

鐘崎港 - 織幡神社社殿前より望遠にて撮影
鐘崎港 - 織幡神社社殿前より望遠にて撮影 
鐘崎港(前方左手は地島、右手は織幡神社の鎮座する岬の小山) - 製氷工場脇より撮影
鐘崎港(前方左手は地島、右手は織幡神社の鎮座する岬の小山) - 製氷工場脇より撮影 
鐘崎港の波止 - 織幡神社門前より撮影
鐘崎港の波止 - 織幡神社門前より撮影 

鐘崎港は作者が知る限り、県内では有数の規模を誇る漁港である。 停泊している漁船も普段作者が見るものと比べて一回り大きいようだ。

漁港周辺の町並みは漁師町らしく、狭い道が入り組んでいる。所々には仏堂・庚申等なども残っている。 泉福寺・織幡神社を含め、心地よい潮風にあたりながら半日ほどかけてじっくり散策できる場所である。


『筑前國続風土記附録』巻之下32 宗像郡 上 鐘崎村の項

織幡神社図(上部に織幡神社、左下隅に泉福寺、右下隅に承福寺が描かれている) - 『筑前國続風土記附録』(中)挿絵
織幡神社図(上部に織幡神社、左下隅に泉福寺、右下隅に承福寺が描かれている) - 『筑前國続風土記附録』(中)挿絵 

泉福寺(チヨガワ・浄土宗西山派・仏堂7間6間)

上報山龍園院と号す。 福岡大長寺に属せり。 始は上八村(こうじょうむら)市場といふ處にあり。

洛の西山光明寺第3世、幸阿上人。 貞永年中(1232-1233)下向の時、此寺にしばらく錫をとゝめ念佛説法有しとそ。

元和年中(1615-1624)大長寺第2世團空長徹此所に移せリ。 寺内に鎮守・弁才天堂・観音堂あり。 寛文12年(1672)吉田六郎太夫知年・同七郎右衛門貞澄寄進の鐘あり。 海中の鐘に()せるとそ、精工なり。 唐僧即非銘をけり。(ここ)に写す。 「筑前宗像郡距城之北(・・・中略・・・)臨濟正傅第三十三世 廣壽山福聚禪寺嗣 祖沙門如一即非撰」

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脚注