馬頭観音
[不焼寺跡]
曹洞宗
★☆☆
行基
馬頭観音
三大観音第1番
- 住所・電話
- 〒811-3421 福岡県宗像市大穂934 標高:100.8m 地図 GMAP 0940-36-2514
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歴史
観音堂は宗生寺の境内の急峻な石垣の上にある。 当観音堂は『筑前國続風土記』によれば当時"不焼寺"といわれたが、 名前に違いたびたび火災にあったようである。下に、その一部を引用する。
崇聖寺の上、不焼寺の観音堂は、 永享元年(1429)春3月創立せり。創立の人姓名しれず、 縁起新舊二有。拙陋にして文理なさず。 堂は高き所に在。堂の大き方4間縁共に方5間有。邊土にしては珍しき壮麗なる堂也。 此堂度々炎上して、観音堂も昔焼失す。不焼寺の名にあたはず。 今の像は京都の佛師作れり。今の堂は慶安4年(1471)、先公忠之建立し給う。その後 度々國君よる修補し給へり。
馬頭観音堂境内の案内板によれば、糸島の雷山観音(千如寺)、 福岡市の油山観音(正覚寺)とともに三大観音に数えられるとのことである。 本尊は常には厨子に収められており、行基の一刀三礼の作とのこと。 ご開帳は33年間に前半17年、後半16年の大祭時のみという。 昔は大穂と野坂の境の鐘撞田と言う所にあったが兵火の為堂宇焼失、 永享元年(1429)現在地に移転、慶安2年(1649)筑前藩主黒田光之が本堂を再建した。
鐘撞堂は延宝6年(1678)筑前藩主黒田光之が建立寄進したものという。
ひとくちメモ
観音堂の装飾は一見の価値がある。境内には多数の古木・巨木がある(イヌマキ・ヒノキ・シイ・イチョウなど)。
写真
『筑前の寺めぐり』の記事
伊藤氏メモ室町時代の文明15年(1483)、近くの許斐城(許斐岳城ともいう)の城主多賀出雲守隆忠公が亡父の菩提を弔うためにこの寺を建立、防州鳴滝の泰雲寺4世器庵祐歳禅師を迎えて開山とした。
許斐家とはその頃の宗像地方の領主宗像家唯一の分家で、世嗣無きときは互いに世子を出し合うという親しい間柄で、家臣の重鎮でもあった。許斐家の当主と一族8人の墓は今も宗生寺にある。
下って天正15年(1587)、筑前の初代藩主として入国した小早川隆景は宗生寺4世桂翁栄昌禅師に帰依し、知行200石を寄進してその菩提寺とした。 隆景公は慶長2年(1597)三原城(広島県)で没したが、生前の遺言で供奉4人とともに宗生寺に祀られている。 墓所は本堂の左側に建つ納骨堂の斜め奥の茂みの中で、「黄梅院殿泰雲紹閑大居士」と刻された大きな宝篋印塔がそれである。
また宗生寺の山門は小早川隆景公の名島城の搦手門を、廃城を機に移築してきたものである。福岡城内の名島門、崇福寺の唐門とともに名島城の遺構を現代に伝える貴重な存在である。
黒田長政公も宗生寺に50石寄進、3代光之公も延宝6年(1678)山林3600坪の寄進、鐘撞堂の建立、観音堂の修復など、代々の藩主の外護を受けて宗像地方屈指の禅刹となった。
今は寺の案内板に「馬頭観音の宗生寺」とあるように、本堂右手の高みにある観音堂の本尊で行基の作と伝えられる馬頭観音が有名である。筑前国33霊場第18番札所はこの馬頭観音と観音堂のことである。 元々この観音堂は大穂と野坂の境の鐘撞田にあり、不焼寺と言っていたが兵火で堂が焼失し、永享元年(1429)に現在地に移転したといわれる。現在の堂は光之公が再建寄進したものである。
(『筑前の寺めぐり 』より)()
『筑前國続風土記』巻之17 宗像郡 下の項
○大穂町不焼寺 崇聖寺
大道の南、狭き谷中に在。両方は山にて、中に小川流、川を挟みて 両傍に民家多し。 民家の有間、小川をのぼり行事數町有。両山間近ふして、 民家の後の山に望ませり。本木村に似て、猶山間狭し。
不焼寺崇生寺 崇聖寺は、その奥に在りて、村口よりは遠し。 崇聖寺は、偏鄙にては珍敷好寺也。 佛堂綺麗也。禪寺也。此寺は許斐の城主、多賀出雲守(一説、民部丞)澄忠、 天文年中に創立す。 寺の後ろに小早川隆景の墓有。 隆景は安藝國沼田に葬る。爰には其時の住持、其人をしたひて、 印を殘せる成べし。
崇聖寺の上、不焼寺の観音堂は、 永享元年春三月創立せり。創立の人姓名しれず、 縁起新舊二有。拙陋にして文理なさず。 堂は高き所に在。堂の大き方四間縁共に方五間有。邊土にしては珍しき壮麗なる 堂也。 此堂度々炎上して、観音堂も昔焼失す。不焼寺の名にあたはず。 今の像は京都の佛師作れり。今の堂は慶安四年、先公忠之建立し給う。 その後度々國君よる修補し給へり。
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