heritage 益富山 円通寺(えんつうじ) [滝の観世音・圓通寺] 真言宗 ★★★ 伊藤氏参拝済 筑前国中三十三観音霊場第28番札所

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〒820-0303 福岡県嘉麻市中益   標高:127.5m 地図 GMAP 0948-57-2290 
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本尊
聖観世音菩薩

歴史

筑前の寺めぐり 』によれば円通寺の創建は元和3年(1617)。 本尊の聖観音様は安永年間(1772-1781)に疫病が流行った時に福岡市西区にある小田(こた)の観音を分祀されたものである。

大正2年(1913)の火災で本尊だけが黒焦げながら焼け残ったので、 晒布(さらしぬの)7反を巻いて白衣として、 厨子に入れて本堂に安置。 7年ごとに新しい晒布に衣替えして古い布は小さく切って安産のお守りとしてお詣りの人に分けているという。

しばらく無住であったが、昭和63年(1988)高野山で修行した橋本孝聖尼が住職として入山し中興となる。 平成6年(1994)に本尊の厨子の前に立つ前立ち観音が建立されたという。

参考:『筑前国続風土記』

ひとくちメモ

円通寺は益富山の中腹に伽藍を構えている。

大隅信号から国道211号線を南東に向かって1kmほど走ると益富城の登山口参道口への標識がある。 その標識にしたがって登って行くと子供用のかなり大規模のプール施設がある。 その脇から参道に入れる。車が4~5台駐車できるスペースもある。

ここから杉木立に囲まれた約240段[1]ある参道を汗をかきながら登ると急峻な崖に石垣が現れ、 その上に楼門が現れる。よくもまあ、こんな崖に石垣を築いたものであるとつくづく思う。

境内には、巨大な一枚岩の割目と思われるところから少量の水が落下している滝がある。 これを目の前で観ることができる。 右に写真を掲示したが作者の撮影スキルではこのスケールは写真ではとうてい表現できない。

作者は参道より石段を登ってお詣りしたが、お年寄り・体の不自由な方は山頂付近まで車で登り、 そこから円通寺まで車に乗ったまま行くこともできる。 駐車スペースは少なそうなのでご注意ください。

円通寺のある益富山の上には、中世の山城であり「一夜城」で有名な筑前・益富城跡がある。 秀吉・後藤又兵衛・毛利但馬などの人物や秋月街道がかかわる中世・近世の歴史のある城である。

伊藤氏メモお寺の方の話によると、石段数は、車で行ける、近くにプールのある所から276段(登りながら数えたら確かにそれぐらいありました)。この下部にある、国道211号線参道口からの石段を合わせると、計390余段ありました。約400段の石段登り。相当、足にきてしまいました。()

写真

  • 滝(拡大)
    滝(拡大) 
  • 本堂
    本堂 
  • 本堂(拡大)
    本堂(拡大) 
  • 滝脇の巨岩にある穴に安置されている石仏
    滝脇の巨岩にある穴に安置されている石仏 
  • 山門嫌鐘楼
    山門嫌鐘楼 
  • プール脇の参道口
    プール脇の参道口 
  • R211からの参道口
    R211からの参道口 
  • 参道
    参道 
  • 石垣の下のお地蔵様
    石垣の下のお地蔵様 
  • 滝の脇の石仏様たち
    滝の脇の石仏様たち 
  • 滝の脇の観音様
    滝の脇の観音様 
  • ボケ封じ観音堂
    ボケ封じ観音堂 
  • 慈母観音堂
    慈母観音堂 
  • 益富城址から眺める中益の街
    益富城址から眺める中益の街 
  • 梵鐘
    梵鐘 

筑前国続風土記』巻之12 嘉麻郡の項

瀧観音図
瀧観音図
『筑前名所図会』
益富山円通寺 - 『筑前國続風土記附録』(中)挿絵
益富山円通寺 - 『筑前國続風土記附録』(中)挿絵 

○岩瀧

中益村の山の(かたはら)高き所にあり。 岩間より小流下る。 其水7間許あり。 其水の流れ来る岩は、高10間許、横20間ほどの大岩也。 一石にして分れず。 岩泉飛瀑のありさまいとめずらし。 (うらむ)る所は水流の微小なるのみ。 雨後水の増れるとき見るによし。

此瀧の前に観音堂有。圓通寺といふ。 僧坊はなし。


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脚注