第43章 山椒(サンショウ)〔薬味以外に薬効も多い〕  みぞおちのつかえ 健胃 内臓器官の働きを活発にする作用 利尿 整腸 消化不良 胃下垂症 胃拡張症 腹部のガスの停滞 膀胱炎 芳香辛味性健胃 駆虫

◆見分け方の特徴

山椒
山椒

サンショウは、日本全土の山野の林の中や林縁に普通に見られる落葉低木で、庭などにも植栽されています。刺が多く、小枝の葉の基部に1対あります。葉は、奇数羽状複葉で、小葉は長さが1~3.5㎝で11~19枚あり、長楕円形で、(ふち)はギザギザです。

春になると葉の付け根に、緑黄色の小型の花を多数つけます。雌花と雄花が別々の雌雄異株で、秋には表面がでこぼこした小さい球形の果実をつけます。やがて、果実は赤く熟して、果皮が裂けて中から黒い種子がこぼれだします。

  • 科名:ミカン科/属名:サンショウ属
  • 和名:山椒/生薬名:山椒
  • 学名:Zanthoxylum piperitum
  • 日本全土の山野に普通に見られる落葉の低木。
  • サンショウの突然変異だという刺の無いアサクラザンショウもある。

<その他>

名前の由来は、古事記には、「垣下に植しハジカミ、口ひひく」という記述があり、ハジとは、はぜるという意味で、果実の裂ける様子を表していて、カミとは、ニラの古名カミラの略のことで、辛い味が、ニラに似ているということから、ハジカミという古名があります。

辛い味がするということから、サンショウという意味に、山の(しょう)(辛味)ということから、サンショウという名がつきました。

 サンショウは、木の芽でんがく、サンショウのつくだ煮、香辛料など生活に深く結びついて 親しまれてきました。葉も果実も、山椒特有の、さわやかな芳香と、小粒でもピリリとした辛 味があります。薬用には、果実の果皮と種子を別々に用いています。また、山椒の太い幹は、 スリコギにすると薬効があるといわれています。

サンショウの品種で、刺のない品種のアサクラザンショウは果実も大きく香りも良く、種子が容易に果皮と分離する優良品種です。これは、兵庫県養父(やぶ)郡朝倉で偶然発見された変種であり、今ではこの山椒を台木として接木されたものが主に栽培されています。

静岡県の林香寺山椒も同じもので、江戸時代に幕府に献上したことでも有名です。刺がわずかにあるヤマアサクラザンショウはサンショウとアサクラザンショウの中間で山地に普通に見られます。山椒に、よく似たものに香りの悪いイヌザンショウがありますが、刺が1本でたがいちがいについているので簡単に区別がつきます。

◆採集と調整

夏から秋にかけて、果実が赤く色づくころに果実を採取します。それを、天日で乾燥させてから、叩いて種子を出して果皮だけにします。これを生薬で山椒と言います。葉は料理の際に包丁で叩いただけで良い香りがします。

◆薬効

有効成分は、ジペンテン、シトロネラールなどの芳香。サンショオール、サンショアミドの辛味。サンショオール、サンショアミドの辛味成分は、大脳を刺激して内臓の働きを活性化する。山椒は、苦味チンキの原料でもあり、芳香辛味性健胃、整腸剤などに用います。

山椒の成分のサンショオールやサンショウアミドは大脳を刺激して、内臓器官の働きを活発にする作用があるとされていて、胃腸の働きの弱くなった消化不良や消化不良が原因の胸苦しさ、みぞおちのつかえ、腹の冷え、腹部のガスの停滞、それに伴う腹痛に効果があります。

山椒は刺激が強いので、炎症性や潰瘍性、発熱性のような激しい病気の場合は使用を避けます。1日量は2~5gで0.3ℓの水で、約半量まで煎じて1日3回に分けて食後に服用します。民間での利用も多く、種子は利尿剤として15gを適量煎じて食間に1日3回服用します。

果実8gを、約0.6ℓの水で煎じ、1日3回に分けて温服。(胃腸病、胃下垂症、胃拡張症、駆虫など)果実の粉末を1回量2gを服用(利尿、胃腸病、膀胱炎、健胃に)果実の煎じ汁を水虫に塗布。生の葉をもんで虫刺されに塗る。

◆山椒酒〔消化不良、腹痛、小便不利など〕

葉の酒

  1. 若芽は4・5月に、実は6・7月に採取しておきましょう。
  2. ほこりや余分な粉などは万能こし器などに入れてふるい、払い落として漬け込みます。
  3. 美しい淡黄色に仕上がり、山椒独特の香りのある美酒になりカクテルに最適です。
  4. 氷砂糖を入れずに漬け込み、飲む時に糖分を加えてもよいでしょう。

実の酒

  • サンショウの果実(乾燥)100g
  • ホワイトリカー1.8ℓ
  • グラニュー糖200g

6ヶ月程度おいてから、材料を引き上げ、布で濾してから、芳香健胃、整腸、腸内ガス放出、解毒、食欲増進に1日杯1杯飲用するが、1日に2回が限度です。食欲不振の場合は、食前に飲用します。

やわらかい新芽を摘み取り、生のまま木の芽あえ、和え物、佃煮、吸い物に香りづけ、彩りに添える。種子は炒って香辛料にする。信州の下伊那地方では1日1粒ずつ果実を食べると疲れがとれるといわれています。

七味唐辛子

七味唐辛子は、トウガラシ、山椒、胡麻、 麻子仁(麻の実)、陳皮(チンピ)、罌粟子(ケシの実)、紫蘇子の7種類から成る薬味です。