第42章 山茱萸(サンシュユ)〔漢方の八味地黄丸〕  めまい インポテンツ 不眠症 低血圧 八味地黄丸 冷え性 前立腺肥大 動脈硬化 滋養強壮 疲労回復 糖尿病 老人の夜尿症 耳鳴り 腰痛 補腎 遺精 頻尿

◆見分け方の特徴

山茱萸
山茱萸

サンシュユは、高さ4~5メートルの落葉する小高木で、花は3月ころの早春に葉に先だって小さな黄色い花を塊状に付けます。葉は対生して、長さ8~10cmくらいで、中脈に対して丸みをもった側脈が6~7対あり、このような葉の特徴は、ミズキ科に共通しています。

秋にはグミのような長さ2cmほどの長円形の果実が赤く熟し、味はやや渋みのある甘酸っぱさがあります。この花の咲いている様子からハルコガネバナ、秋に紅熟した果実の様子から、サンゴバナなどと呼ばれています。

  • 科名:ミズキ科/属名:ミズキ属
  • 和名:山茱萸/生薬名:山茱萸(さんしゅゆ)
  • 学名:Cornus officinalis
  • 日本全土で家庭の庭や公園に植えられています。中国、朝鮮半島の原産。
  • ヤマグミとも呼ばれる。

<その他>

名前の由来は、漢名の山茱萸を、そのまま音読みしてサンシュユになりました。茱萸とは、呉茱萸の別名といわれ、茱萸(しゅす)というように読んだ場合には、サンショウの実を意味するという。

また、()とは、国訓でグミを意味するというが果実の様子から、山茱萸の名がついたと思われる。中国や朝鮮半島の原産で江戸時代に薬用として朝鮮から種子が持ち込まれましたが、今では早春の黄色い花を観賞するために、多くの家庭や公園に植えられている一般的な花木です。別名アキサンゴというくらい、秋には赤い実がどっさり実ります。

◆採集と調整

成熟した果実を熱湯に通して半乾きにしてから果実を抑えて種子を抜き出し、果肉だけにしてから日干しにします。これを生薬で、山茱萸(さんしゅゆ)といいます。種子は薬効が期待できませんので抜きとってから使用します。

市販されている山茱萸の中には種子が入っているものがありますので、用いる場合には種子を取り除きます。市場で和山茱萸というものを見かけることがありますが、これはアキグミなどの果実を乾燥したもので山茱萸の偽物ですから注意が必要です。

※晩秋に付ける紅色楕円形の実は渋くて生食には向かない。,

◆薬効

有効成分は、リンゴ酸、酒石酸、没食子酸のほか糖類、イリドイド配糖体・モロニサイド、ロガニンなど。山茱萸は、補腎、強壮薬、めまい、耳鳴り、インポテンツ、遺精、頻尿、老人の夜尿症などに用います。1日量は5~8gで、0.3ℓの水を加えて約半量まで煎じて、濾してから3回に分けて服用します。

漢方の八味地黄丸(はちみじおうがん)は、漢方の古い医書である「金匱要略」に収載されている重要な処方です。山茱萸は、この八味地黄丸に処方されていて、糖尿病、腰痛、動脈硬化、前立腺肥大などに有効とされています。

漢方薬は人によって注意して飲む必要があり、この八味地黄丸も平素胃腸が弱くて下痢をしやすい人とか、八味地黄丸を飲んで食欲が減退するような場合は、飲むことを中止しなければなりません。今日までに実に1800年間も使用されています。この処方は中年以後の老人の薬といわれるもので、咽喉が乾いて、足腰の冷えや腰痛があって排尿回数が多く残尿感があるような場合に良く効き目があります。

秋に赤く熟した果実を採取して熱湯にしばらく浸したのちに、ざるに上げて半乾燥状態になったら種子を取り出して果肉だけを日干しします。 (日本薬局方)

◆山茱萸酒〔漢方の八味地黄丸〕

山茱萸で果実酒を造ります。老人や病後の滋養強壮や疲労回復、冷え性、低血圧、不眠症などの目的で、盃一杯づつ飲用します。山茱萸の種子を除き乾燥したもの200gとほぼ同量の氷砂糖をホワイトリカー1.8ℓに漬け込み2~3ヶ月冷暗所において、材料を引き上げ、濾してから飲用します。

(※漢方用の乾燥ものは1年中入手できます)

実は赤いが、その赤は酒に溶けず、ややうすい琥珀色の酒になった。酸味と苦味は十分だが、渋みはあまりない。その分、ややアンバランスな感じ。薬臭がきつい。


◆ヨーグルトの木

温めた牛乳にサンシュユの枝を入れ、保温して一晩置くとヨーグルトができる。ブルガリアにはヨーグルトの木と呼ばれる木があり、サンシュユはヨーグルトの木の親戚にあたるため、実際に同じようにヨーグルトを作れる。