第28章 甘茶蔓(アマチャヅル)〔朝鮮人参よりも絶大な効果〕  低血圧 制癌作用 動脈硬化 十二指腸潰瘍の予防と治療 強壮剤 朝鮮人参よりも絶大な効果 気管支炎(気管支カタル) 滋養強壮 神経の興奮やストレスを鎮める 老人性慢性気管支炎 肝臓障害 胃潰瘍 鎮静作用 関節リュウマチ

◆見分け方の特徴

アマチャヅル
アマチャヅル

雌雄異株で、茎は地上をはうか、葉のつけねにある巻きひげを絡ませて、他の植物などに絡み付きよじ登って繁殖します。若い時には淡色の軟毛がありますが、すぐ無毛となってしまいます。葉は互生し、3~7枚の小葉からなる鳥足状複葉です。小葉は狭卵形で先が尖り、葉縁は鋸歯状葉、葉面には細毛が散生しています。花は円錐状の黄緑色の小花を多数つけます。果実は球形の液果で上半分には鉢巻状の横線が1本あり、熟すと黒緑色にあります。

注意:アマチャズルとよく似たのに、ブドウ科ヤブガラシ属ヤブガラシがあります。葉面には全く毛がなく、巻きひげも葉の反対側についている点で区別ができます。

  • 科名:ウリ科/属名:アマチャヅル属
  • 和名:甘茶蔓
  • 生薬名:七葉胆(しちようたん)
  • 学名:Gynostemma pentaphyllum
  • 日本全土の山野の樹陰、薮の縁など。
  • 朝鮮半島、中国、東南アジアに広く分布。

<その他>

薬用としての利用が初めて記されたのは、中国で消炎解毒、止咳去痰、慢性気管支炎としてでした。日本の竹本教授たちのよってアマチャズルにオタネニンジン(朝鮮人参)と同じ成分が含まれていることが、研究の結果からも明らかとなりましたが、成分の含有組成が朝鮮人参と異なっているので、全く同じ効果であるかどうかは明確ではありません。

それまでは、雑草として扱われていましたが、にわかに重要な薬草として脚光をあびるようになりました。

◆採集と調整

8~9月に茎、葉を特に晴天の日を選んで下葉1枚くらい残して刈り採り、水洗いをして汚れを落としたのち、少しずつ束ねて吊るし水を切ります。生乾きの時2~3cmくらいに刻んで更に天日でよく乾燥されます。生薬名は七葉胆(しちようたん)

  • アマチャヅル:5枚の葉、表面にまばらに毛が生え、葉の縁と脈に毛が生えている。
  • ヤブガラシ:葉の裏側を観ればテカテカしている。巻きひげが葉の反対側。

◆薬効〔薬草酒の王様と呼べる〕

主成分が、オタネニンジンと同様であり、含量もほぼ同じとされていて同じ薬効が期待されます。新しく開発された薬草だけに、今後多くの薬効が明らかにされると思われます。乾燥した茎葉5gに約1ℓの水をいれ、番茶のように煮出して服用します。鎮静作用があってストレスが引き起こす、いろいろな病気に応用できます。

その他、老人性慢性気管支炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防と治療、強壮剤として用いられています。自生地によって多少の成分の相違がありますので、この点は注意が必要です。

1977年日本生薬学会で徳島文理大学薬学部の竹本博士が「アマチャヅルは、薬用朝鮮人参と同様の有効成分サポニンが70種類以上含まれる」と発表して知られるようになりました。このサポニンは、植物に含まれる配糖体のことで、水や油に溶けて泡立つ特性を持ちます。

サポニン(ダイオール系)は神経の興奮やストレスを鎮める効果があります。また、特定のサポニンの薬理試験では癌細胞に対しての制癌作用も確認されています。関節リュウマチ、低血圧、動脈硬化、肝臓障害などの予防もあるとされています。朝鮮人参と同様なんて素敵!

老人性気管支炎、滋養強壮、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、気管支炎(気管支カタル)、ストレス、動脈硬化、そしてサポニンは制癌剤にも!

栽培

種子による栽培は、蒔く前に2日ほど水につけておき、ジフィーセブンやバーミキュライトを利用するかトロ箱を用いて播種します。発芽は5週間を必要として、発芽後3~4週間で葉がでます。この時期に本畑に移植して施肥を行い通常の栽培で、蔓も伸びます。挿し木で繁殖させるのは、もっと簡単で山で見つけたアマチャズルを3節ほどの長さに切りとって、葉を1節だけ残して、あとの2節からは葉をむしりとり土の中に植え込みます。20日ほどで30cmに伸びるので本畑に移します。

甘茶蔓と藪ガラシとの区別〔素人でも見分ける方法〕

極めて類似していますから、良く観察して見て下さい。

相違点アマチャヅルヤブガラシ
葉の数双方ともに区別できません(両者とも5つの小葉です)
ウリ科ブドウ科
葉の出方掌状複葉(綺麗な五角形)鳥足状複葉:三葉に出て、両端が二葉
葉の毛表面がデコボコで葉の裏に毛がある葉の裏には全く毛が無い
葉の色艶ツヤが無い(白くザラザラ)テカテカ
葉の触感ザラザラと感じるツルツルと感じる
葉の形状葉が薄い葉が厚くて丈夫
大きな葉濃い緑色緑色に紫色がはいる
若い小葉淡緑色黄緑色
葉脈脈が深く、縮緬紫蘇脈が浅い
葉の味噛むと少し甘い不味いだけ
茎が柔らかい赤味を帯びて、硬い
星状の可愛らしい小さな黄緑色の花赤みを帯びた総状花
花の尖端葉腋に短い花穂で花冠が5裂し先が尖るまさにブドウ科の形状
単体の実が多いブドウみたいな実の房の形状
巻きひげ蔓茎と葉との間から出る葉の反対側から出る
画像アマチャヅルアマチャヅル

※アマチャヅルは鉢などで育てて下さい。茎を数節で切って下葉を残して挿し木する。