第23章 柿(パーシモン)〔柿は万病の予防薬〕  かぶれ げっぷ止め しもやけ しゃっくり止め やけど 乳房の腫れ 各種の内出血の止血作用 咳止め 咽の炎症 咽喉の痛み 柿は万病の予防薬 止血 消化器官の潰瘍による出血 血圧降下 高血圧を抑制

◆見分け方の特徴

柿
花頭の大きな花が雄花です!

柿
渋柿の方が美味しく出来ます!

山野に自生する渋柿または広く栽植される果実で、高さは10メートル近くにもなり、幹は直立して多くの枝をだして若葉には細かい柄があり互生します。花は、6月ころに葉の脇に淡黄色に咲き、雌雄異花で花冠に比べて、がく片が大きく4枚あり、このがく片からは果実を大きくする成長ホルモンが出ています。このことから、花期や果実の成長期にがく片を損傷すると果実が成長して大きくならなくなります。

  • 科名:カキノキ科/属名:カキノキ属
  • 和名:柿
  • 生薬名柿蔕(してい)
  • 学名:Diospyros kaki var.sylvestris
  • 日本全国の山地や野原に自生。広く全国で栽培。
  • 日本原産ではなく、古くに中国揚子江沿岸から渡来したものです。

<その他>

柿の名前の由来は、日本釈名には、「あかき也。其の実も葉もあかき故也」という記述があり柿の材の中心部が赤いという意味で、赤木(あかぎ)とされ、転訛して、カキと呼ばれるよ うになったという説と、カキの韓国語が、カムと言われることから転訛して、カキになったという説があります。

日本の柿の歴史は、古い時代に柿の原種が中国から朝鮮半島をへて渡来したと考えられていてその柿の原種が改良されて現在の柿になったという説が知られる。「万葉集」「源氏物語」には柿の記述が無いことから、その時代以降に改良されたと考えられる。

古い時代には、数個の柿をヒモで通して乾燥したものを、一連とか一条と読んで売買したと考えられている。柿は日本の代表的な果実です。西欧でも色彩の美しい東洋の果実として好まれています。柿の実の果実は果糖で、胃腸に負担をかけずに吸収が早く、ビタミン類を多く含む良質の果実です。

甘い柿は、日本に渡来してから80種が改良されて出来たものです。岐阜県の「富有」、静岡県の「次郎」、富山県の「水島」が特に有名です。

柿の葉茶は、弱酸性でビタミンCは、葉100gに1000㎎も含まれていてレモンの20倍です。また、熱にも比較的安定していて、風邪や病気に対する抵抗力、血管壁を丈夫にしたりして動脈硬化予防、高血圧、心臓病、腎臓病に大変有効な働きをします。

また、アルカリ性のコーヒや緑茶と一緒に飲むとビタミンCが壊れてしまいます。コーヒや緑茶のように興奮することもありませんので安心して楽しめます。柿の葉茶は健康補助食品でお買い求めできます。

◆採集と調整

薬用にする柿のへたは、秋に柿を食べたあとに集めてそのまま日干しにして乾燥させます。これを生薬の柿蔕(してい)といいます。

柿渋(かきしぶ)

できるだけ渋味の強いカキの品種を選びます。まず、未熟なカキを採って、へたを取り去りすり鉢に入れて砕き、水を加えて良くかき混ぜます。それを瓶にいれて約1ヶ月間ほど発酵させます。かすが分離してくるので、かすを取り除きます。このかすを取り除いたあとの褐色の液体を柿渋といいます。柿渋は特異な臭いがしますが、血管の透過性を高めて高血圧を防止することが知られています。盃1杯と牛乳と1日3回食間に服用します。

柿の葉は6月ころの若葉を採取して、葉の芯を切り取り、蒸気(せいろなどを使用する)で2~3分蒸します。その後、日陰で陰干しして乾燥させてから細かく刻みます。

◆柿酒:一般的な漬け方です。

<柿の葉酒>

柿
柿

柿の葉を使用して、柿の葉酒を造ります。柿の若葉200gとホワイトリカー1.8リットルを漬けこんで、3ヶ月程度おいてから飲用します。脳卒中予防、かぜ予防、かっけ、滋養強壮、鎮痛、皮膚の健康によいという。

薬効・用い方

有効成分;柿渋には多量のタンニンが含まれ、ビタミンPと似た化学構造で、血管の透過性を高め、高血圧を抑制することが知られる。葉には、血圧降下成分の、ケンフェロールやグルコサイドやクエルセチンほか柿の(へた)には、ウルソール酸ほか。柿の特色のある薬効は(へた)をしゃっくり止めに用いることです。

柿蔕を5~10g(10個くらい)を刻み、水0.3リットルを加えて煎じて、約半量まで煮詰めて、煎じ汁を発作時に温めて服用します。すこし、飲みにくいので、ひねしょうがを少量加えるとよいでしょう。効き目がよく、げっぷも止めることができます。

果実の皮を剥き、干しガキにしたものを柿餅(しべい)、根を柿根(しこん)といい、止血の目的で吐血、下血に用います。柿餅の表面に出てくる、白い粉末状のものは甘く、これを集めたものを柿霜(しそう)といい、これを加熱して、飴のようにしたものを柿霜餅(しそうべい)といい、咽喉の痛み、咳止めに用います。

柿の葉茶は、1日量10g程度と水を、沸騰したら約3分煮出して飲用します。また、お茶のように、急須で柿の葉、大さじ1杯に熱湯を注ぎ2~3分して飲用します。2~3煎まで飲めます。各種の内出血の止血作用があり、消化器官の潰瘍による出血や、咽の炎症、柿渋と同様に血圧降下にも効き目があるとされます。

また、柿渋は、止血・やけどやしもやけ・かぶれに患部に塗布します。種子を黒焼きしたものを乳房に塗ると乳房の腫れがひくとされています。

<柿酢の作り方>

柿

「柿が赤くなると、医者が青くなる」という諺、聞いたことありますか?柿はそれほど薬効の高い果物です。そんな柿でじっくり自家製の酢を造ったら、どんなにいいだろう。本来は柿の自然発酵(その際には柿のヘタだけ取って、洗わずに柿に付着した菌の自然発酵です。)ここでは、洗ってヘタを取ってから四等分に切ってから市販の穀物酢を注ぎ込みます。

「甘柿」「渋柿」という呼称は、糖度の高い低いのことではない。柿に含まれるタンニンという渋味の成分が、甘柿は不溶性なのに対して渋柿は水溶性なのだそうで、それが唾液に溶けるために渋く感じる。完熟したらそれが不溶性に変わるので、ここでご紹介する方法なら渋柿を使用しても全く問題ないし、甘柿と混合しても構わない。むしろ意外なことに、甘柿よりも渋柿の方が糖度が高いそうなので、どちらかと言えば渋柿の方が酢を作るのに適している。

用途:

酢の物、寿司、しめ鯖、鯵の南蛮漬などの和風から、酢豚などの中華風、ドレッシングなどといったように、市販の穀物酢や米酢と同じようにして使える。また、ブドウの風味とはやや異なるが、その仲間の果実酢なので、白ワインビネガーの代用としても使える。

完成した柿酢には殺菌作用があるので、わざわざ煮沸する必要は無く、少量なら生で飲んでも構わない。但し、ワインの代用として1合(180cc)ほど飲んだら、お腹がビックリしてトイレに駆け込むことも!この程度の酸度の酢でも胃の粘膜を傷付けることがあるそうなので希釈しないで飲むなら、お猪口1杯以内に留めておくべきです。食用だけでなく、これも市販の酢同様、ヘアーリンスや殺菌剤としても使える。農業用の殺菌剤(農薬)として使っている方もおられるようだ。

容器:

材質が合成樹脂だと、そこからアルコールや酸に溶ける物質が溶け出す恐れがあるし、金属だと錆びて、それが品質に悪影響を及ぼす。そのため、釉薬(うわぐすり)が塗られた焼き物やガラス、木や竹や木綿が適している。