はじめに 

東洋医学と西洋医学について

この東洋医学基礎講座は、以前から門外不出といわれ、特殊な中国拳法家の間に連綿として受け継がれて来た「秘伝」を中心にまとめたものです。また、中医が行う「鍼や灸」に見られる、人体のツボの研究から生まれた臨床医学(東洋医学)の根底に流れる中国伝来『經絡秘孔(けいらくひこう)』に基づいて整理しました。

西洋医学は解剖学と細菌学から発達して来たと言われています。一方、東洋医学は人間の仕組みを、数千年に及ぶ臨床医学の中から統計的に『効果のある術』として整理し受け継がれて来ました。したがって、手術が必要な重傷状態あるいは細菌感染の病気では、西洋医学の力を借りる場合もあります。しかし、西洋医学の医師に見放された状態でも東洋医学で治癒する場合も多いのです。洋の東西の医学を併用して、適切な治療を選択する必要があります。

近年の食文化や住居環境の変化等による三大病気といわれるものがあります。それは「便秘や肥満」と「アレルギー性の鼻炎や花粉症」と「近眼や乱視や白内症」です。東洋医学では、現代人のストレスや神経系の障害から来る病気を、極めて簡単な方法で予防し、治癒すること が出来ます。

東洋医学と一口に言っても奥が深く、中には「足心術」や「操體術」をもって一流一派を唱える治療士もいます。ここで、東洋医学(仏教医学と称する場合もあります)を体系的に習得できる講座を目的として、この資料を特別に公開します。ただし、みだりに他人への公開を禁止します。

人によって個々人で体質や症状が少しづつ違い個人差があるので、物真似での素人療法は、大変に危険です。したがって、体系的な学習と実践的な臨床の裏付けで、知識と技術を習得した治療士を目指して欲しいものです。病理の知識としては、文部科学省の検定試験『健康管理 能力検定試験』の三級、二級、一級の資格取得の知識レベルが欲しいですね。

■患者さんと接するときの心構え

なぜ病気に罹るのか?常に疑問をもって東洋医学の病理学を学んで下さい。ちまたで良く聞かれる陰口に『医師は病気を治して、病人を治さず』と言われます。病気の根本原因を探して病気を治しつつ患者さんを安心させるケアも重要なのです。不安気な発言などは、患者さんを更に不安にしてしまい迷惑です。

病気に罹るのは必ずや「原因」がある筈です。原因としては、遺伝子、細菌やウイルス、化学物質などの毒物、そして食生活や社会環境などの生活習慣によるものなど、多岐に複雑に多様化しています。対処療法も必要ですが、根治療法こそ大事な治療法です。

引き合いにされるのは、木の葉が腐った場合の対処をどうするか?

  • 西洋医学:葉っぱに薬剤を散布するか葉を切除する。(緊急性と即効性)
  • 東洋医学:土壌改良や根っ子の部分まで調べて対処する。(時間は掛かる)

良い治療士は、回数を減らしてでも早期の治療を目指す。悪い治療士は、回数と時間とお金を掛けてゆっくりの治療を目指す。悪い表現で恐縮ですが「医算術、医商売」ではいけない。

資料体系:基礎講座資料の内容と体系について

この資料の執筆や編纂に当たっては、下記の各流派の秘伝や東洋医学の病理学を体系付けて整理し参考にしています。(成人病という病名は、現在では生活習慣病と読み替えて下さい)

特に、第3編と第4編では、主に健康管理に関する基礎的な知識を中心に説明します。大事な事は、知識を習得した後に実践することです。過去の笑い話ですが「先生、『この本を読めめば貴方も痩せられる』ってこの本を、私は3回読んだのに痩せれないんですよ」う~ん何と応えればいいのやら!大事なのは『知っている事と出来る事とは違うのです』無理しない程度に実践して欲しいものですね。

また、そこで説明される内容は、56歳で突然に旅立った最愛の妻の遺稿です。富士通株式会社の健康管理室に勤務していた頃の手書きの健康管理の講話集を整理したものです。当時は、ガリ版(謄写版)と青焼き版の資料でしたから年代を経て、資料は経年劣化が進んで変色して一部には解読不能な箇所もありました。一方、当時の医学知識が今日では違っている場合もあり、現時点に合わせて加筆や訂正した部位もあります。遺稿も世に出れば嬉しいものです。

付録 参考文献一覧

[ 1] J.Dyerberg,et al,the Lancet,July 15,117-119('1978)
[ 2] W.E.Connor,et al,Blood,58(5),880-885('1981)
[ 3] H.Orimo,et al,Atherosclerosis,47,71-75('1983)
[ 4] 吉川 敏一他, 第5回国際酸素ラジカル学会('1991)
[ 5] 吉川 敏一他, 第8回和漢医薬学会('1991)
[ 6] 田村 泰他, 日本薬学会第103年会
[ 7] 近藤 元治, 毎日新聞('1991.9.6. 夕刊) 活性酸素最前線
[ 8] 南山 幸子他, 第2回国際病態生理学会総会('1994)
[ 9] 田村 豊幸, 『薬でどんどん悪くなる』潮文社
[10] ビタミン Vol.67 No.9, 日本ビタミン学会
[11] 吉川 敏一, 『抗酸化物の知識』NPC生涯学習センター
[12] 藤江 久七生, 『酸素とからだと食物』白地社