第31章 体温〔体温を上げて免疫力をアップ〕 

自分の平熱を知っていますか? 健康的な人の平熱は36.5~37.1度です。実は今、36度以下という「低体温」の人が増えているそうです。低体温は免疫細胞と大きなかかわりがあり、放置するとさまざまな病気や癌までも発症してしまう怖れがあります。ここでは体温を上げると健康になり、さらに癌予防までできる低体温克服法を説明します。体温が1度下がると免疫力は30%低くなる。低体温で35度以下は不健康なのです。

◆低体温がなぜ良くないか

体温が上がると血液の流れがよくなり免疫力が高まります。血液は、私たちの体を構成する約60兆個もの細胞に栄養と酸素を送り届け、代わりに老廃物を持ち帰る働きをしています。その血液の中に、免疫機能を持った白血球が存在し、その白血球が体の中を巡ることで、体の中の異物をパトロールしているのです。

つまり体温が下がると血流が悪くなり、免疫力も低下し、体内に異物を発見しても、素早く駆除してくれる白血球を集めにくくなり、ウイルスや細菌に負けて発病しやすくなってしまいます。白血球は、これら外界からのウイルスや細菌だけでなく、癌細胞が体の中にできるたびに、免疫細胞が攻撃をして死滅させてくれています。

実は健康な人でも癌細胞は1日に5000個もできています。その1つでも免疫という監視システムをかいくぐって生き残ると、1個が2個、2個が4個、4個が8個と倍々ゲームのように増えていき、やがては癌に姿をかえてしまうのです。

健康を維持してくれる免疫力は体温が1度下がるだけで30%低下します。単純に計算すると1日に1500個近くの癌細胞が、免疫システムから見逃され増殖していく可能性があるのです。体温が正常に保たれていれば、これらの免疫システムが正常に働いてくれて、健康が保たれているということになります。先ずは、自分の平熱を知り、低体温を克服して血流をよくしておくことが、免疫力向上につながるのです。

自分の平熱を知るには、3~4日間、朝・昼・夜の体温を測って平均を出します。 50年前の日本人の平均は36.89度。現在の平均は36.20度。さて、あなたの平熱は?

◆現代人に多い「低体温」の原因は筋肉量の低下

低体温の原因の9割は筋肉量の低下と考えられます。 50年前と今では日本人の体温の平均は0.7度近く下がっています。その理由の1つとして、現在のライフスタイルが、明らかな運動不足になっていることが挙げられます。家事ひとつをとっても、50年前はすべて手作業で掃除、洗濯、料理などを行い、その上で畑仕事をするなど、日常的な運動量が大変多かったのです。それに比べ、現代の生活では、乗り物や家電の充実によって日常生活における運動量は低下しています。

運動量の低下にともなって、筋肉量が減少します。筋肉は人体最大の熱産生器官ですから、筋肉が少なくなると、体温も下がり、基礎代謝も下がります。基礎代謝とはじっとしている時でも体内でエネルギーを消費していること。基礎代謝が落ちれば、カロリーが消費されにくくなって、内臓脂肪が増加してしまうのです。

この内臓脂肪組織から、20種類以上の悪玉ホルモン(アディポサイトカイン)が分泌されていることがわかっています。これらが血管に炎症をもたらすことにより血栓を作りやすくなったり、インスリンの働きを弱めてしまうことにより、癌や高血圧、糖尿病の元凶となることが解明されています。

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