第3節 検査結果のデータ③〔基準値の判断目安〕 

前ページ 次ページ

◆採血(血液検査)

<肝臓系検査>

・総蛋白
血液中の総蛋白の量を表します。数値が低い場合は栄養障害、ネフローゼ症候群、癌など、数値が高い場合は多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水などが疑われます。
単位:g/dL異常要注意基準範囲要注意異常
総蛋白5.9以下6.0~6.46.5~8.08.1~9.09.1以上
・アルブミン
血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミンです。アルブミンは肝臓で合成されます。 肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などで減少します。
単位:g/dL基準範囲要注意異常
アルブミン6.5~8.08.1~9.09.1以上
・AST(旧GOT)とALT(旧GPT)
AST(GOTともいう)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。
ALT(GPTともいう)は肝臓に多く存在する酵素です。
数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓癌、アルコール性肝炎などが疑われます。GOTのみが高い場合は心筋梗塞、筋肉疾患などが考えられます。
単位:U/L基準範囲要注意異常
AST30以下30~5050以上
ALT30以下30~5050以上
・γ-GTP
γ-GTPは、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。
単位:U/L基準範囲要注意異常
γ-GTP50以下51~100101以上
・参考:eGFR
単位:mL/分/1.73㎡基準範囲要注意異常
eGFR60.0以上50~59.949.9以下

<腎臓系検査>

・クレアチニン(Cr)
アミノ酸の一種であるクレアチンが代謝されたあとの老廃物です。筋肉量が多いほど、その量も多くなるため基準範囲に男女差があります。腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。数値が高いと、腎臓の機能が低下していることを意味します。
単位:g/dL基準範囲要注意異常
男性1.00以下1.01~1.291.30以上
女性0.70以下0.71~0.991.00以上
・尿酸(UA)
尿酸は、蛋白質の一種であるプリン体という物質が代謝された後の残りカスのようなものです。この検査では尿酸の産生・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。高い数値の場合は、高尿酸血症といいます。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積していき、突然関節痛を起こします。これを痛風発作といいます。また、尿路結石も作られやすくなります。
単位:㎎/dL要注意基準範囲要注意異常
尿酸(UA)2.0以下2.1~7.07.1~8.99.0以上

<脂質系検査>

・総コレステロール(TC)
血液中にはコレステロールという脂質がふくまれています。ホルモンや細胞膜をつくる上で大切なものですが、増え過ぎると動脈硬化を進め、心筋梗塞などにつながります。数値が高いと、動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症などが疑われます。低い場合は、栄養吸収障害、低βリポ蛋白血症、肝硬変などが疑われます。
単位:㎎/dL要注意基準範囲*要注意異常
総コレステロール(TC)139以下140~199200~259260以上

*将来に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲です。

・LDLコレステロール
悪玉コレステロールとよばれるものです。LDLコレステロールが多過ぎると、血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。
単位:㎎/dL要注意基準範囲要注意異常
LDLコレステロール59以下60~119120~179180以上

*将来に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲です。

・HDLコレステロール
善玉コレステロールとよばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。少ないと動脈硬化の危険性が高くなり、数値が低いと脂質代謝異常、動脈硬化が疑われます。
単位:㎎/dL要注意基準範囲要注意異常
HDLコレステロール29以下30~3940~119120以上

*将来に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲です。

・中性脂肪(TG)(トリグリセリド)
体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。数値が高いと動脈硬化を進行させます。低いと低βリポ蛋白血症、低栄養などが疑われます。
単位:㎎/dL要注意基準範囲要注意異常
中性脂肪(TG)29以下30~149150~399400以上

*将来に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲です。

<新陳代謝系検査>

・血糖値(FPG)
糖とは血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として全身に利用されます。測定された数値により、ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかがわかります。数値が高い場合は、糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常が疑われます。
単位:㎎/dL基準範囲*要注意異常
血糖値(FPG)99以下100~125126以上

*将来に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲です。

・HbA1C(NGSP)
HbA1C(ヘモグロビン・エーワン・シー)は、過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するため、糖尿病のコントロールの状態がわかります。また、空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上なら糖尿病と判断します。
単位:%基準範囲要注意異常
HbA1C(NGSP)5.5以下5.6~6.46.5以上

*将来に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲です。

<血球系検査>

・赤血球(RBC)
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。赤血球の数が多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血が疑われる。
・血色素(Hb)(ヘモグロビン)
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。
・ヘマトクリット(Ht)
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。
単位:104/μL異常要注意基準範囲要注意異常
ヘマトクリット
(Ht)
男)赤血球359以下360~399300~539540~599600以上
女)赤血球329以下330~359360~489490~549550以上
男)血色素11.9以下12.0~13.013.1~16.616.7~17.918.0以上
女)血色素10.9以下11.0~12.012.1~14.614.7~15.916.0以上
男)ヘマト35.3以下35.4~38.438.5~48.949.0~50.951.0以上
女)ヘマト32.3以下32.4~35.435.5~43.944.0~47.948.0以上
・MCV・MCH・MCHC
MCVは赤血球の体積を表します。
MCHは赤血球に含まれる血色素量を表します。
MCHC赤血球体積に対する血色素量の割合を示します。
MCVの数値が高いと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われます。
低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われます。
・白血球(WBC)
白血球は細菌などから体を守る働きをしています。数値が高い場合は細菌感染症に罹っているか炎症や腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかはわかりません。煙草を吸っている人は高値となります。少ない場合は、ウィルス感染症、薬物アレルギー再生不良性貧血などが疑われます。
単位:103/μL異常要注意基準範囲要注意異常
白血球(WBC)2.5以下2.6~3.13.2~8.58.6~8.99.0以上
・血小板数(PLT)
血小板は、出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病などの体の組織での亢進、肝硬変などの脾臓でのプーリングが考えられます。
単位:104/μL異常要注意基準範囲要注意異常
血小板数(PLT)9.9以下10.0~12.913.0~34.935.0~39.940.0以上

<感染症系検査>

・CRP
細菌やウィルスに感染する、癌などにより組織の傷害が起きる、免疫反応障害などで炎症が発生した時などに血液中に増加する急性反応物質の1つがCRPです。細菌・ウィルス感染、炎症、癌がないかを調べます。
単位:㎎/dL基準範囲要注意異常
CRP0.30以下1.00以上126以上
・梅毒(希望者のみ)
梅毒に感染しているかを調べます。但し、結核、膠原病など梅毒以外でも陽性になることがあり、これを生物学的偽陽性といいます。陽性の場合は区別するために精密検査を受けてください。
基準範囲要注意
梅毒陰性(-)陽性(+)
・HBs抗原(希望者のみ)
B型肝炎ウィルスに感染していないかを調べます。陽性の場合は、現在B型肝炎ウィルスが体内にいることを意味します。
基準範囲要注意
HBs抗原陰性(-)陽性(+)
・HCV抗原(希望者のみ)
C型肝炎ウィルスに感染していないかを調べます。陽性の場合は、現在C型肝炎ウィルスが体内にいることを意味します。
基準範囲要注意
HCV抗原陰性(-)陽性(+)
前ページ 次ページ