第3節 精神的な問題〔専門家でなければダメ〕 

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◆悩める人との接し方

メンタルヘルスは専門家です。素人判断では解決しませんので、専門家にお願いしましょう。

①本人との会話
充分に理解できるまで「本人」の話を聴くこと。了解と共感が必要で、頭ごなしの批判は厳禁です。理解可能でも、自分の手に余る問題を持ちます。理解不可能な場合には、話の内容が分からない、又はとりつくしまが無い。大事なことはメンタルヘルスへ委託することです。しかも秘密厳守です。
②メンタルヘルスへ行かせる
「本人」の神経を疑ってはならない。また、「本人」に対して誠実に応対し、嘘や策略を用いない。
③ノイローゼの事前知識
誰でもそうなる可能性を持っています。是非とも知っておいて欲しい事は、神経がどうかなっているわけでは有りません。誰でもなるのです:例)砲弾ショック、強制収容所症候群など

◆短期睡眠行動療法

短期睡眠行動療法というのは、簡単にいうと生活習慣を変えて不眠を改善しようというものです。これは薬を使ってもなかなか不眠や鬱病(うつ病)が治らない人の多くに効果がある事が研究によって証明されています。

これを自分でもできるようにやり方をまとめたのが、自分でできる不眠克服ワークブックです。短期睡眠行動療法自習帳(渡辺範雄著)。8週間続けることを前提に書かれています。但し残念ながら、どんな人にも効くというわけではありません。この方法に適さない人として:

  • 交代制の勤務で生活が不規則な人
  • 睡眠時無呼吸症、むずむず足症候群、などの病気が原因の人
①睡眠日記をつけていく
「昨晩何時に寝たか」「今朝何時に起きたか」「寝つくのにどれぐらい時間がかかったか」 等の簡単な日記をつけていきます。これをやると自分の睡眠のパターンがある程度明確になり、不眠を招く問題点に気づくことがあります。
眠れないと思った時にすぐ時計を見ようとしたり、睡眠時間を稼ごうとして眠くもないのに 布団に入ろうとすることは止めたがよいでしょう。最初は「毎日日記なんてちょっと面倒だ な」と思っても数分で終わりますし、慣れると大したことはありません。それより自分の睡 眠を客観的に見つめることで、問題の改善策をもっと冷静に考えられるようになります。
②遮光効果の高いカーテンに変える
光とか音っていうのは、私達が思っている以上に睡眠を大きく妨害するそうです。自分が眠 っていると思っても、光や音があると脳が勝手に活動してしまいます。不眠だった最大の理 由が「光」だと言う医師も多いのです。そこで遮光効果の高いカーテンとアイマスクを利用することで、不眠を解消できるでしょう。
③寝る前の水分補給をコップ1杯にする
夜も気にしないで飲み物を普通に飲んでいてはいけません。しかし、快眠のためには、寝る 前2時間以内に飲んでよい水分はコップ一杯といわれています。
④カフェインは午後3時を過ぎたら摂らない
カフェインは寝る前にさえとらなければ良いと思われがちです。しかし、その覚醒効果はかなり長く続くそうです。そこで、昼休みにコーヒーを飲んだ後は、その日はもうカフェインを摂らないようにしましょう。
⑤酒は寝る2時間前になったら飲まない
アルコールは体から抜けるのが比較的早く、離脱症状が生じ、それが不安や不眠につながってしまうそうです。酒を飲みたいときは少なくとも寝る2時間前までに、適量を飲むように心掛けましょう。尤も、酔ってバタンQで寝れればいいですけど。
⑥できるだけ悩みを布団に持ち込まない工夫をする
仕事などの悩みを布団に持ち込めば不眠になりやすくなるのは当然なんです。それが分かっていてもついあれこれ考えてしまうと、目が冴えて眠れません。子供のころの遠足前など眠れず結構厄介な問題です。
しかし、夜になると人間の「何かを考える能力」は大分落ちるそうで、寝る前に考えるのは効率が悪いとか。寝る前にあれこれ考えるのは無駄だ、と思って下さい。むしろ、明日考えるべき問題をリストにまとめておくことを勧めています。夜中に問題が頭に浮かんだら、それをリストに書き留めておいて、それ以上考えないようにするのです。
⑦刺激コントロール法を利用する
刺激コントロール法っていうのは、要は布団の中では睡眠以外の行動は避けようってことです。そうすることで「布団の中=睡眠」という意識付けを強化し、より眠りやすくなります。具体的には、布団の中では睡眠以外のことを極力しない、15分以上(時計を見ずに大体の感覚で)眠れなかったら一旦布団や寝室を出る、眠くなったらまた寝室に戻るのが良いです。
⑧睡眠制限法を利用する
睡眠制限法とは、睡眠スケジュールを決めてそれを守ることで、体内時計のリズムを整えることです。前述しましたが、眠らない様に起きておくのも手でしょう。人間は必ず眠くなります。眠らなければいけない、と恐怖観念を止め、起きていたらいずれ眠りたくなります。
⑨夜中起きてしまったときにやることを決めておく
夜中に15分以上起きてしまったときは床を出ないといけないわけですが、じゃあ床を出て何をするのか?をあらかじめ決めておきます。これは「頭をあまり使わず、運動以外の楽しいこと」がいいそうです。でないとかえって眠れなくなってしまうので。読めてないという雑誌や漫画があれば、それをあらかじめ用意しておき、夜中に起きてしまったらそれを読んだらいかがでしょう。
⑩休日もできるだけ同じスケジュールで過ごす
体内時計を調整するためには、毎日同じスケジュールで過ごすことが重要です。よって平日だけでなく、できるだけ休日も同じ時間に寝て起きます。何週間か経って不眠が改善されれば、これをゆるめても大丈夫だそうなので、改善するまでの辛抱ですね。
⑪1時間以上の昼寝をしない
当然ですが、昼寝をすると夜眠りにくくなります。昼寝は長くても1時間に留めるべきです。日中の集中力を保つために、20分の昼寝を1回とぐらいが最適でしょう。

◆睡眠は薬を使わなくても自分でコントロールできる

完璧に理想の睡眠がとれるようになるまで生活習慣にしましょう。少なくとも生活に支障が出ることが無くなるまででいいのでしょう。不眠で悩んでいて、まだ短期睡眠行動療法を試したことのない人は、一度やってみる価値はあると思います。

◆不眠症の治し方!不眠症の原因を知って、安眠を実現させる4つの方法

今回は不眠症の治し方についてご紹介します。睡眠は基本的欲求のひとつです。無くてはならない行為であり、健康をつかさどるものです。しかし日本人の4~5人にひとりが不眠症に苦しんでいるというデータがあります。

どのように心地よい睡眠を確保して、明日の元気の源、しいては健康的な体を作りだすことができるでしょうか。そこで今回は不眠症の原因と、安眠を実現させる方法について説明しましょう。

①不眠症って何でしょう?
  • 眠りが浅い
  • 寝てもすぐに目が覚める
  • 早くに目覚めて、そのあと眠ることができない
  • 長く眠っている割に、寝た感じがしない
これらのような状態が続くことを一般には「不眠症」といいます。眠りが充分ではないため、翌日の状態が疲れの残るものだったり、注意力が散漫になるものだったり、イライラを引きおこすものだったりと、不調を招く一因となります。
日本人は4~5人にひとりがこのような不眠の症状で苦しんでいるというデータがあります。20~30代の世代が最も多く報告されているようですが、近年では老齢者にも不眠に悩む人口が増加しています。また、男性よりも女性の方に多いと言われています。
②不眠症の種類とその特徴
・入眠障害
「布団に入ってもなかなか寝付けない。」というのがこのタイプ。このタイプの人が最も多く、「早く寝ないと…」と焦る気持ちによって、より一層深刻な不眠症になってしまうことが多いようです。
・中途覚醒
眠りについたにもかかわらず、途中で目が覚めてしまう。もしくは、何度も目が覚めてしまうタイプです。生活のリズムが乱れていたり、お酒の飲み過ぎやストレスなどにも関連してます。
・熟眠障害
充分に眠っているつもりでも、朝起きるとスッキリしない、カラダがだるい、などの症状が現れます。
・早朝覚醒
起きる時間よりも早くに目が覚めてしまい、もう一度寝ることができないタイプです。
③不眠症の原因は?
国民の4~5人が不眠症といわれています。なぜ、不眠症になってしまうのでしょうか。その原因について見ていきましょう。
・ストレスからくる睡眠障害
ストレスはネガティブな心理だけではなく、楽しいことなどへの興奮状態も含みます。神経過敏になり、眠れなくなってしまうことにつながってきます。
・生活習慣の乱れによる不眠
幼児期に決まった時間に寝る習慣をつけず、就寝時間があやふやだと夜に目が覚めるようになってしまいます。
・疾患による睡眠障害
呼吸器や消化器の疾患により、不眠症を引き起こしている場合もあります。また、アトピーなどの皮膚疾患は、かゆみで目が覚めることも不眠の一因になります。
・アルコールによる不眠
アルコールは副交感神経の働きを活発にするので、適量の飲用は眠りに入りやすい状態になります。しかしながら、人が本来持つ抵抗力がアルコールへの耐性を増す状態になっていくと、お酒の量が増していくのでアルコール依存にもなりかねません。そうなると、眠れないから…と飲むアルコールが危険にな行為になってしまう可能性があります。
・精神疾患による不眠
神経症や精神分裂症、うつ病などの精神疾患は不眠を引き起こします。精神疾患は神経が過敏な状態になるため、交感神経を刺激します。交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで眠れない状態が続いてしまうのです。
・薬や嗜好品による不眠
カフェインを含む飲料や、薬に含まれる成分で不眠が引き起こされる場合があります。
④カラダに表れる不眠の症状
不眠が続くとカラダにどのような症状が出てくるのか見てみましょう。
  • カラダにだるさを感じる
  • 寒気がする
  • 手足が震える
  • めまいがする
  • 食欲が出ない
  • 頭痛がする
  • 耳鳴りがする
  • 口の中が乾く
  • 顔色が悪い
  • あくびが頻繁に出る
  • 血圧が上がる
などがあります。自律神経が乱れ、意識のコントロールがきかないところで不調を感じるため、不快な状態が長く続くようになってきます。
⑤こころの状態でみる不眠の症状
  睡眠不足になると脳が十分に休養することができず、さまざまな状態を引き起こします。
  • 集中力の低下
  • 思考力の低下
  • 記憶力の低下
  • 情緒不安定
  • 考えや行動が消極的になる
  • 表情がこわばる
  • 機嫌が悪くなる
  • マイナス思考がつづく
  • 気力が湧かない
などです。直接体に症状が出ないとしても、こころの状態に症状が現れることで、社会生活が困難になってきます。やる気とは裏腹に行動することが苦痛になったり、諦めがちになったりして、自分の気持ちだけではなく、社会的な活動での影響が深刻なものへと変えていくことも多くあるからです。
  気がつかないうちに症状が現れることを考えると、無理をして自分を責めてしまいそうな   感覚におちいるかもしれませんが、自分だけで安易に判断せず、異変を感じたら身近な人   や専門家に相談することが大切になってきます。
⑥不眠症の治し方
不眠の原因を自分なりに把握していくと、どのようにしたらいいか、ある程度の対策は見出すことができます。しかし、状態を変えるだけの気力や体力がもてるかどうかは別問題です。出来る範囲で、できることを実行する。無理だと思うなら、専門家などに協力をあおぐなど、工夫がとても重要になってきます。

◆意識的にできる不眠症の治し方

<その1:軽い運動をする>

思考が優位になると、体の動きは乏しい状態になります。そのため、自律神経のバランスが崩れやすくなり、気分的に落ち込みが強くなりやすい状態になります。それを防ぐためにも、歩く距離を長くする工夫をしたり、階段を使ったりして、簡単なことでも体が動かせる状態を多く持つようにしましょう。

<その2:質のいい睡眠環境を作る>

寝る時の環境を心地のいいものにしましょう。たとえば、パジャマや寝具(シーツや布団)を通気性の高いものにする。素材でいうならコットンやシルク・コットンなどの天然素材の混紡などです。特に温度と湿度のバランスのとりやすいものがおすすめです。

パジャマなどのデザインには、適度なゆるさがあり、あまり体にフィットしない方がいいでしょう。また、温度は冬は16~22℃、夏は25~28℃程度の温度が望ましいとされています。

<その3:朝日を浴びる>

8時までに起きて太陽の陽射しを浴びましょう。これをすることで体内時計がリセットされ一日の始まりを体で感じて生活リズムを整えていきます。日中に活動して、夜になると眠くなる、こうしたリズムを整えていくように心がけていきましょう。

<その4:専門家に相談する>

自分で全てが解決できるか…というと、実はそうではありません。常習化して体の感覚が変えられないままに自力で努力してもなかなか成果は現れません。変化を感じたとしても、その時ばかりの喜びでいつでも自分で調整できるのだ、とタカをくくってしまうと、かえってそれが油断を生む行為になり悪化させてしまう可能性があるのです。

自分では気付きにくい、もしくは気付かない病気として、鬱病の他にも睡眠時無呼吸症候群などがあります。心療内科や精神科などで相談することも大事です。精神的な疾患でなくてもかゆみや痛みで睡眠が削がれることもあります。そういう場合は、その関連のかかりつけなどの医師に相談することも大切です。

こうして不眠症をみてみると、様々な症状や状態になることが判りました。だからといって、眠れないのが不眠症か、といえばそうとは言い切れません。一時的なことで眠れなかったり、目が覚めてしまったり、だるくなったり、様々なことは普通にありますから簡単に病気かどうかと気に病むことは本末転倒です。

しっかり自分の状態を把握して、不眠の状態が何日くらい続いているのか、どんな気持ちが長く強く続いているのか、体の調子がどうなのか、など、冷静に把握することに務めたいものです。あまりに長く続くようならば、独りで抱え込む前に相談することをお勧めします。そのためには、情報を得ておくのもひとつの得策と言えるでしょう。

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