第1節 運動する人としない人〔ある研究報告から考察〕 

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◆運動しなければどうなるか

健康な人に1日中ベッドに寝て貰う。食事は栄養的に満点の内容をベッドに運んであげる。トイレや洗顔などもベッド脇で行って貰う。こんな生活様式(ベッドで安静)を2~3週間続けた結果、以下のような変化が発生しました。

①筋肉を使わないので筋肉が細くなり体力が弱ってくる
筋肉が細くなるにしたがって、筋肉中に含まれるカリウムやクレアチンなどの有益な物質が尿中に次第に溶けだす。また筋肉が細くなると同時に、骨も細くなり、その主成分であるカルシウムも尿中に溶け出てしまう。まるで最初の宇宙飛行士が地球へ帰還した時に、歩行困難だった体力の低下にも似ています。
②心肺機能が低下してしまう
心臓の鼓動が早くなり、脈拍数が増加する。また、拍動ごとに心臓から大動脈に送り出す血液量も少なくなるので、それをカバーするためにポンプとして拍動回数を多くしなければならず心臓に負担をかける。また、肺も委縮して肺活量が低下し、必要な場合には沢山の酸素を摂取する事が出来なくなる。この状態では、ちょっとした運動をしただけでも、息切れが起こる。

◆定期的に運動する人と運動しない人との比較

  • 循環器、神経系、呼吸器の病気の発病が少ない。
  • 精神的活動能力に対する影響についも、完全な健康感を覚え、独特な楽観的気分を持つ。
  • 大動脈と脚の動脈の間を脈拍が伝わる速度が速い。(血管が柔らかく硬化度が少ない)
  • 運動の為に必要な酸素の摂取量が多い。運動量が大きいことを意味し、同じ運動を負荷しても影響は軽く、疲労度は少なく、体力が強い。

◆体力づくり

私たちの体は労働やスポーツの後で休息を取ることで活動力が高まるのです。適度の運動で快く疲れたら、充足感でぐっすり眠れます。この睡眠中に疲労が回復して、体力は運動前のレベルに向上します。また、爽やかな目覚めこそが仕事への大きなファイトになります。この規則的な繰り返しが、健康な毎日に欠かせないリズムなのです。 

先ず、自分の現在の生活様式を振り返って見ましょう。職場も家庭も省力化と利便性が進みまた、交通機関も発達しました。運動量が最も減少した人は、マイカー通勤する人でしょう。休日が増えたので通勤回数も減りました。そうして運動量が減った分の埋め合わせを、日常生活の中で何か考えなければなりません。ある人は、行き帰りを歩いたり、早朝マラソンをやったり、犬を飼って散歩したり、自転車でサイクリングしたり、エレベータを使わない等、様々な努力をしていますね。このような何気ない改善を見逃したりせずに、努力することです。

健康管理に関しては、お説教的な知識ばかりです。しかし、ここで最も重要なことは『知っている事と出来る事とは違う』ことです。実践しなくては無意味なのです。いくら健康に良いと、言われても直接にピンと来ないのが体力です。理想の体力づくりは、理詰めの体力作りで耳学問するより実践すべきです。

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