第2節 夏バテの特集〔夏バテと食生活の関係〕 

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日本の夏は、蒸し暑く、梅雨明けの時期には湿度が80~90%にも達します。特に、大都会や海岸地帯の場合、夜になっても気温が余り下がりません。昼間の太陽熱がコンクリートや歩道に吸着されているばかりでなく、クーラーの熱交換の室外機が一段と住宅密集地帯の気温を上昇させるのです。

暑い日が続くと「夏バテ」が言われます。まして熱帯夜が長く続くと、寝不足まで加わって体の変調を来たします。夏はどんな人でも多少は体がだるくなるので、ことさら神経質になる必要はありませんが、夏に弱い人の為に夏バテの原因と対策を述べましょう。

当然ながら人によって夏バテし易い人とし難い人がいます。ひとことで言えば、食の細い人や食事に無関心な人が夏バテを起こし易いようです。体力は主として食事によって造り上げられるからです。夏でも食欲が旺盛でモリモリ食べれる人は、夏バテにはなり難いものです。それほどに夏バテと食生活は関係が深いものです。

ところが夏になれば、食欲がない、どことなくだるい等、急に元気が無くなる人がいます。夏バテは春から梅雨時期に入ると、今まで快適だった温度条件が悪くなり、気候が不順で、急激な温度変化などがあるために、旨く体が順応しにくくなって起こります。

体がうまく暑さに適応してくれないと、発汗もスムーズに行かず、体に熱が溜まります。そうすると体は熱生産を出来るだけ少なくしようとブレーキを掛けます。その結果、血圧が下がり、血液循環が悪くなります。従って、頭の回転も悪くなり、消化器の働きも低下して、食欲が減退します。また、夏になればビタミン消費量が増し、特にビタミンB1が不足してきます。そう言った生理的条件も夏バテを起こす引き金になります。

1 夏バテの定義

暑くなるとハッキリした病気でもないのに体全体がだるく、疲れ易い、食欲も無くなり、体の調子が乱れる。こんな症状を一般的に夏バテと呼んでいます。中には、慢性の疾患に気付かずに夏バテと思い込んでいる人もいます。気掛かりな場合には、健康診断を受けて下さい。日頃から胃腸、心臓、肺機能の弱い人や貧血気味の人は、暑くなれば更に弱くなって疲れ易い原 因になります。特別な疾患が無くても、暑くなれば人間の体はダラ~となるのが普通です。

2 原因:低血圧

高い気温に適応しようとする人体の自然なメカニズムは、決して病的なものではありません。 普段から低血圧傾向の人には特に堪えます。

・夏は体のまわりの温度が高いため、体内では出来るだけエネルギーを作らなくなる
  • →筋肉や血管などの緊張が無くなり、体全体がダラーとなる
  • →血管が広がるために血圧が下がる
  • →心臓は通常よりも多く活動し、心臓への負担が大きくなる
  • →少しの運動でも息切れが起きて、疲れ易くなる
・人間の体は一定の体温を保ってこそ順調に機能する
  • →気温上昇で汗を出して自動的に体温を調整する
  • →血液は体表(皮膚)の近くに集中する
  • →血液のバランスが乱れる
  • →必要な臓器に相対的な貧血が起きる
  • →夏場は何もしないで座っていると眠くなる(脳内血液の循環不良)

つまり、上記のメカニズムで体内の臓器の相対的な貧血が発生するために、心臓は更に活動を進めて疲れ易くなるのです。

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