第4節 脱水症・熱中症・熱射病の予防〔発症する前に予防〕 

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脱水症・熱中症・熱射病を予防するには

梅雨明けの季節、ニュースなどでも耳にすることが多くなる脱水症・熱中症・熱射病です。6月~9月の期間に熱中症で救急搬送される方も多く、高温の日数が多い年や、異常に高い気温の日がある年は発生が増加する傾向です。特に、温暖化の影響か2010年以降大きく増加しています。脱水症・熱中症・熱射病は日々の予防から。正しい予防法について説明します。

<原因と症状>

結論を言えば水分と塩分の不足が原因です。夏は、気温とともに体温も上昇するので、体は発汗によって体温を下げようとします。その汗には、水分だけでなく塩分も含まれており、この両方が失われることで脱水症になります。脱水症を放っておくと、熱中症、熱射病へと症状が移行していきます。

◆脱水症

水と電解質(塩分が水に溶けると電解質になります)で構成される体液が汗で失われ、その補給ができていない場合に生じます。脱水症になると、血液の量が減り、血圧が低下。必要な栄養素が体に行き渡らなくなり、不要な老廃物を排泄する力も低下します。また、食欲不振などの原因にもなります。さらに、骨や筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、しび れが起こることもあります。脱水症が、熱中症のさまざまな症状を誘発します。

◆熱中症

熱中症とは気温の高い環境で生じる健康障害の総称です。体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。

<熱中症の分類と対処法>

熱中症とは気温の高い環境で生じる健康障害の総称です。体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。

①重症度Ⅰ度:めまい・立ちくらみ・こむら返り・大量の汗
<対処法>
涼しい場所へ移動・安静・水分補給を忘れずに。
②重症度Ⅱ度:頭痛・吐き気・体がだるい・体に力が入らない・集中力や判断力の低下
<対処法>
涼しい場所へ移動・体を冷やす・安静・十分な水分と塩分を補給。症状が改善されれば受診の必要なし。水分を自力で摂取できない場合や症状に改善が見られない場合は受診が必要です。
③重症度Ⅲ度:意識障害・けいれん・運動障害>
<対処法>
涼しい場所へ移動・安静・体が熱ければ冷やす。ためらうことなく救急車を要請して病院へ緊急搬送して下さい。

◆熱射病

熱中症のひとつです。脱水症が進み、体温を調節する働きが追いつかなくなることで40℃を超える高体温になり、脳の体温調節中枢機能が麻痺して起こります。意識障害やショック状態になることもあります。熱射病がもっとも危険で、死亡することもまれではありません。

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