第3節 熱射病との違い〔 特に子供に注意を〕 

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毎年、夏になると車の中に置き去りにされて死亡してしまう子供たちのニュースが後をたたない。また、ゴルフや炎天下でのスポーツ・イベントなどで、脱水症状を起こして倒れるなどひどい時には生命に関わる危険を伴うことがあります。「まだ5月だから、大丈夫でしょ!」と思っていると、実は危険です。この時期でも熱中症は起こりますし、熱射病にもなります。

<医学的な分類>

◆熱失神
暑さで血管が拡張して血圧が下がり、めまいや失神が起こる
◆熱けいれん
汗をたくさんかいて血液中の塩分濃度が低くなったために筋肉が痙攣する
◆熱疲労
大量に汗をかいて脱水症状を起こし、倦怠感、めまい、頭痛、脱力感、吐気などを起こす
◆熱射病
体内の熱が放散されずに体温が上昇し、めまい、頭痛、吐気などから始まり、意識障害を起こしたり、ひどい時には呼吸停止などを起こす

<水分の不足度合>

人の体の約60~70%は水分だと言われます。この水分は、体内への栄養分の運搬、老廃物の排泄、体温調節など、そのさまざまな働きのために必要なだけでなく、血液や細胞間にも存在しています。だから、排泄や発汗により体内の水分が失われれば、それを補わなければならないのは当然です。

ちなみに、体内の水分には塩分が溶けている。その塩分は食べ物から補給していますが、その濃度を正常範囲で一定に保つことが、生命を維持するのに必要なことです。例えば、血液から水分だけが出てしまうと、塩分濃度の高いドロドロっとした血液になります。そうなると、血流も悪くなり、血管が詰まりやすく、心臓にも負担をかけることになります。そうならない ためにも、濃度を一定に保つために一定量の水分が必要なのです。体内の水分が欠乏すると体に様々な不調が訪れます。

欠乏率その症状
1%咽喉が渇く
2%強い咽喉の渇きを覚える、ぼんやりする、食欲減退
4%疲労、吐気、感情の不安定、動きが鈍る
6%手足が震える、頭痛、体温が上昇する、脈拍呼吸が上がる、皮膚は紅潮化する
10%失神、舌の膨張、筋けいれん、血液濃縮、腎機能不全
15%皮膚が萎びる、目の前が暗くなる、目が窪む、舌が痺れる、皮膚の感覚が鈍る
20%以上生命の危険、死亡する

特に、乳幼児期は一番体重が増える、つまり成長する時期であり、水分を必要とします。しかし、自分では水分が不足しているかどうかはなかなか判断できません。乳幼児は1日当たり体重1kgにつき 150mlもの水分が必要になることがあるため、暑い日に汗を沢山かいたり、下痢や嘔吐などで水分が不足した場合には、あっという間に脱水症状に陥ることもあります。

特に、真夏に外で遊ぶ場合には、充分な水分補給を大人が注意してやる必要があります。車の中に置き去りにすると車中の温度は50度以上にもなるのですから、蒸し焼きと同じです。

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