第4節 高血圧と食生活〔万病の元になる高血圧〕 

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一昔前は平均の血圧は自分の年齢に90加えた程度だと言われました。すると高齢者で70歳なら 160になります!

現在では年齢に関係なく、成人では最高血圧 139以下、最低血圧89以下を正常血圧範囲とされています。即ち、最高血圧140以上で、最低血圧90以上を高血圧と考えています。(最高+最低)< 230ならいいかな。

しかし、高血圧であっも大多数の人々は自覚症状を感じないのです。高血圧になれば人によっては、頭痛や肩凝りや眩暈などを訴えることがあります。一方、これらは低血圧の人にもおこります。低血圧は、世界保健機関WHOでも具体的な基準が設けられていないのが現状で、最高血圧が100~110mmHg以下、最低血圧が50~60mmHg以下のの場合と判断されているようです。

日本の厚生労働省では、最高血圧が90mmHg以下を低血圧として定義しているようですが、他には男性と女性は分けるべきで、男性105mmHg以下、女性100mmHg以下を低血圧とすべきという説もあり、判断は難しい部分があります。さて高血圧の話題に戻ります。

・グレート1:高血圧(軽症)の数値
最高血圧(mmHg):140~159
最低血圧(mmHg):90~99
・グレート2:高血圧(中等度)の数値
最高血圧(mmHg):160~179
最低血圧(mmHg):100~109
・グレート3:高血圧(重症)の数値
最高血圧(mmHg):180以上
最低血圧(mmHg):110以上

以下、肥満三兄弟(塩分、脂肪分、糖分)について説明しましょう。

①塩分の問題

日本人は1日に15~20gの塩分を摂るのが普通だそうです。高血圧というと、塩分を減らすように指導されます。塩分は高血圧とどのように関係があるのでしょうか?

◆高血圧の遺伝子を持っている人(塩分感受性)

細胞内では、通常ナトリウムとカリウムがバランスを取って存在します。しかし塩分が吸収されると、塩分の主成分のナトリウムが細胞内に増えます。細胞は、ナトリウムが増えるとナトリウムを排出し、カリウムを取り込みます。

ここで、高血圧の遺伝子が無い人(塩分非感受性)であれば、排出されたナトリウムは腎臓にいき、体外に排出されます。しかし、高血圧の遺伝子を持っている人(塩分感受性)は、この動きが上手くいかず体内に腎臓でナトリウムが再吸収され血圧が上がります。

塩分感受性の人は、塩分の排出機能に問題があるので、塩分を減らして血圧が下がっても、また塩分を取れば血圧は上がります。そのため、1日の塩分摂取量の目標量は10gですが、高血圧予防の目標量は6gとなります。

塩分を減らせば血圧が下がるので血圧のコントロールはしやすいですが、塩分非感受性高血圧の人と比べると、心臓病や脳出血等のリスクが2倍以上とも言われていますので注意が必要です。塩分が多いか否かは味が濃い感じなら多いと思って下さい。糖尿病患者の食事では、味が極めて薄いのです。

◆高血圧の遺伝子が無い人(塩分非感受性)

実は高血圧の人の6割はこのタイプです。塩分非感受性の人は、塩分をとっても血圧は上がらず、塩分を減らしても血圧が下がらないのです。従って、減塩による食事療法が役に立たず血圧のコントロールが難しいとも言えます。塩分非感受性の方は、自分の高血圧の症状や原因を見極めて、高血圧全般に良いとされる食事や飲み物を摂取するのが一番良い方法です。

一般にグレート1軽症高血圧の場合には、塩分摂取量はだいたい10g位までです。この位の量は、塩分の使い方を少し少な目にする程度で良く、無塩バターや無塩醤油まで使う必要はありません。味噌汁も辛味噌より甘味噌に、醤油もじゃぶじゃぶ使わずに少しづつ使う等で減塩すれば良いでしょう。

※食塩:専売公社時代の旧名称です。成分はNACL塩化ナトリウム99.4%、MGCL塩化マグネシウム0.6%の猛毒ですから、今では食塩と呼ばずに「精製塩」と呼ばれています。

②脂肪の問題

脂肪分は高血圧に直接関係しませんが、動脈硬化を促進させるます。飽和脂肪の多い食品やコレステロールの多い食品を控えたが良いでしょう。コレステロールの多い食品としては、鶏卵、魚卵、レバー、貝、蛸などがあります。逆にコレステロールの少ない食品としては、鳥ささ身、豆類、豆腐、白身魚などがあります。 

油として植物性の油がお奨めです。ゴマ油、トウモロコシ油、大豆油、落花生油、菜種油などがあります。いずれの油も摂取し過ぎは肥満を招きますので注意しましょう。

③砂糖の問題

太った人は、なるべく砂糖を減らして、減食をして体重を減らすことに努めて欲しいものです。個人差がありますが1日に1500~1800カロリー位にし、運動して体重を減らすようにして下さい。この他に野菜や果物を摂り、塩辛い漬物も減らすべきです。

血圧とは、体内を流れる血液が血管に及ぼす圧力のことです。血圧計などで良く聞く最大血圧と最低血圧があります。

  • 最大血圧:心臓の心室が収縮したときの圧力です。
  • 最低血圧:心臓の心室が拡張したときの圧力です。

血圧は、性別や年齢をはじめ色々な条件によって、生理的に変動します。年齢の加齢に伴って血圧もやや上昇します。また1日の中でも、季節によっても変動します。従って、血圧をたまたま1回測定して血圧が高いからと言って、高血圧とは決められません。

※正常血圧幅:最低89以下、最高139以下(最高血圧の値は血圧降下剤で下がります)

1 高血圧の分類

・本能性高血圧症(一次性高血圧)
原因となる病気がないもの(高血圧の90%)
・症候性高血圧症(二次性高血圧)
原因となる病気があるもの
  • 腎臓や副腎に病気がある場合
  • 脳や神経に病気がある場合

2 高血圧の基準

随時血圧が最高血圧140ミリ、最低血圧90ミリを超える数値なら高血圧症として扱います。

3 高血圧はどうして怖いのか

我が国をはじめ諸外国の生命保険会社の統計によれば、最小血圧が高くなるほど死亡率が高い。これは、高血圧が続くとその結果として血管の障害がおこって、色々な合併症が起こり易くなるからです。それと、高血圧は大した症状もなく、何年も経過するので油断して放置しやすい病気です。

この高血圧を放置しておくと、血管障害がどんどん進行します。しかも一旦進行した血管の障害を元に戻すのは不可能です。高血圧が怖いのは、高血圧そのものよりも、それが血管系の合併症を発症するからです。

4 血管障害による合併症

高血圧によって血管障害が起こると、次のような合併症を伴うことがあります。

  • 脳卒中をおこす。
  • 心臓の働きが低下し、心臓性急死を招きやすい。
  • 肝臓の働きが低下する。

5 高血圧を引き起こす因子

  • 遺伝性
  • 動脈の収縮硬化/li>
  • 血液成分の内で血球や蛋白質の増加、血液中のナトリウムの増加/li>
  • 血管の圧受容体の感度の不調/li>
  • 腎臓を流れる血液の減少/li>
  • 精神緊張が高い場合/li>
  • 寒冷刺激/li>
  • 肥満、食事中の食塩や嗜好品(辛子、胡椒、アルコールなど)/li>
  • 便秘

6 治療と予防

  • 早期発見の為にも年に一度は必ず血圧を測定する
  • 早期に発見し、適切な生活指導を受ける
  • 食生活の改善
  • 血圧降下剤の服用
  • 合併症を起こしている臓器の機能回復を図る

7 血圧と病気

  • 最高血圧の上昇:160以上
     腎臓炎、血管硬化、本能性高血圧、痛風、赤血球増多症、閉経期、バセドウ氏病
  • 最高血圧の低下:100以下
     貧血、心臓衰弱、肺炎、脳下垂体腫瘍、糖尿病、下痢、睡眠不足
  • 最低血圧の上昇:120以上
     動脈硬化症、腎炎、心臓ブロック、心衰弱収縮不全、抹消血管弾性消失
  • 最高血圧の低下:60以下
     末梢血管緊張減退による充実不全、心筋障害、貧血、脚気、大動脈弁閉鎖不全
正常血圧の範囲:最低血圧<90、最高血圧<140

※分かり易く:最低血圧+最高血圧が200~220なら良好です!

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