第1節 食事と栄養〔栄養を意識した飲食〕 

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食事は私達が生命を保ち活動するための基本です。バランスの取れた内容の食事を摂ることなしには健康の維持も増進も考えられません。毎日の食事に偏りがあると、その偏りを積み重ねることになるので、健康上に支障を起こします。

基本的な食事を知らなかったり、無関心であったりして、一応お腹が膨れれば良い感じで食事を済ませていませんか?不足したら薬やサプリメントで補うことを考えがちな最近の風潮があります。尤も、健康食品やサプリメントの服用者の8割以上は健康な人だと言われますから笑ってしまいます。本当に必要な人こそが服用すべきですね。先ず食事の内容を考えます。

1 栄養の問題を考える

栄養の問題を考えるには、次の2つの立場があります。

①活動のエネルギーを主に考える場合
エネルギー源のカロリーが問題になる。この点ばかりに気を配ると肥満に傾きやすい。
②体の構成や機能が十分に行われるかを考える場合
質的な内容が問題になる。

2 日本人の必要栄養量

平均的な日本人の必要とする栄養量は、下表のとおりです。

蛋白質
(g)
総カロリー
(Kcal)
ビタミンB1
(mℊ)
ビタミンC
(mℊ)
ビタミンA
(iu)
カルシウム
(g)
軽度の労作 7022001.06020000.6
普通の労作 7025001.16020000.6

独身者や単身赴任者については、外食をする機会が多いようです。外食のみでは栄養のバランス面から好ましくない点が多いようです。下の表は街中での飲食店で扱っている食事の栄養価の数値です。

栄養値(一人前)
蛋白質
(g)
総カロリー
(Kcal)
ビタミンB1
(mℊ)
ビタミンC
(mℊ)
ビタミンA
(iu)
カルシウム
(g)
天丼12.5 5800.13 0.0 28.0 0.046
カツ丼21.6 7840.51 2.0 122.1 0.034
親子丼20.7 5810.22 10.0 46.4 0.061
ちらし寿司15.9 5930.15 10.4 329.0 0.050
カレーライス19.2 6330.15 11.9 277.8 0.032
サンドイッチ16.1 5270.22 6.7 329.3 0.035
野菜サラダ4.5 1250.18 15.8 470.0 0.022
きつね饂飩11.9 3590.11 3.8 20.0 0.076
天麩羅そば12.8 3810.14 5.0 142.0 0.040
チャーハン19.5 7990.33 7.5 160.5 0.057
スパゲティ26.0 6960.19 6.2 699.7 0.079
  注)ビタミン類は調理の際に20~30%が破壊されます。

上に示した街中の食堂の食事には次の問題があります。

ー、一般的にビタミンとカルシウムが不足する。
ー、組合せによってはカロリーだけを余分に摂取し過ぎる。

3 栄養素の対策

栄養素の含有食品の主なものとして、次のものがあります。これらの内から、街中の食堂など外食で不足する栄養素を多く含む食品を食べて、栄養バランスに心掛けましょう。

表 栄養素と主な含有食品
栄 養 素主 な 含 有 食 品
蛋白質肉類、魚類、牛乳、卵類、豆類、豆腐
脂肪バター、ラード、その他脂肪分の多い食品
糖質穀類、芋類、糖類
カルシウムひじき、小魚、骨、卵、牛乳
ビタミンA緑黄色野菜、人参、南瓜、チーズ、卵黄
ビタミンB1豆類、葱、ニンニク
ビタミンC一般野菜、くだもの
鉄分レバー、プルーン、乾し葡萄、アサイー、法蓮草
<毎日これだけは食べましょう>
食品群の区別食品と分量食 品 の 内 容
1群
牛乳1本
脱脂粉乳小匙1杯
卵1個
乳200g
卵50g
乳200gは牛乳1本と乳製品20gを含みます。
卵50gは大きめの卵1個の分量です。
カルシウム、ビタミンAが豊富で良質の蛋白質、
脂肪も多量に含まれます。
2群
魚1切
小魚1匹
挽肉40g
豆腐1/6
味噌大匙半分
煮豆15g
納豆5g
魚肉120g
豆製品80g
魚、肉類は動物性の蛋白質、脂肪、鉄、カルシウム
を含んでおり、大豆には植物性蛋白質中の最も良質
な物が含まれています。

蛋白質は毎食、平均して摂れば効果が大きい。
3群
法蓮草3本
胡瓜1本
キャベツ1枚
蜜柑1個
芋1個
緑黄野菜100g
淡色野菜200g
芋類100g
果物100g
野菜、果物類にはビタミンC、無機質が多く含まれ
ています。
緑黄野菜は体内でビタミンAの働きをするカロチン
が含まれているので大事です。
生の野菜を1皿は食べましょう。
4群
米2カップ
パン1切
砂糖大匙4杯弱
油大匙1杯
バター小匙2杯
米麦350g
油20g
砂糖30g
穀物、油、砂糖はカロリー源になります。
油はどの食品よりもカロリーが高いので、油を使う
と量が少なくて済みます。
熱量は個人によって時によって必要量が増減するの
で穀物で調整すること。
<四つの食品群の概量と食品種類>>
食品群食品概量食 品 の 内 容
1群 ・牛乳 1カップ 牛乳、山羊乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、無糖練乳、加糖練乳、アイスクリーム、バター、ミルク、ヨーグルト、チーズ、クリーム、鶏卵、うずら卵、卵黄、卵白、乾燥卵(魚卵を含まず)
・チーズ 2切れ
・茹で卵 1個
2群 ・焼き魚 1切れ 生鮮魚、冷凍魚、塩干魚、貝、魚卵、魚加工食品、魚肉佃煮、魚燻製、練り製品(魚肉ソーセージ、蒲鉾、竹輪)、鳥獣鯨肉、内臓、肉加工食品と既成品(焼き豚など)、鯨と加工食品、ゼラチン、乾いた大豆加工品、生の豆、味噌、豆腐、油揚げ、納豆、高野豆腐、黄粉、煮豆など豆加工食品
・小魚佃煮 1皿
・ハム 2枚
・味噌汁 1椀
・煮豆 1皿
3群 ・おひたし 1皿 かきちしゃ、法蓮草、辛子菜、小松菜、京菜、春菊、ブロッコリー、大根菜、高菜、朝つき、人参、栗南瓜、ピーマン、間引 き菜、ニラ、セリ、パセリ、キャベツ、白菜、胡瓜、蕪、茄子、牛蒡、蓮根、うど、アスパラ、筍、鞘隠元豆、モヤシ、玉葱、 カリフラワー、つまみ菜、鞘エンドウ豆、三つ葉、松茸、椎茸、海苔、若芽、ヒジキ、じゃが芋、薩摩芋、里芋、山芋、蜜柑、トマト、林檎、梨、葡萄、柿、苺、西瓜、メロン、桃
・サラダ 1皿
・煮物 1皿
・漬物 1皿
・粉ふき等 1皿
・果物 1個
4群 ・パン 2枚 米麦、麺類、雑穀、小麦粉、上新粉、白玉粉、強化米、パン類、マカロニ、スパゲティ、餅、ワンタン、餃子皮、あられ、煎餅、ビスケット、澱粉類、砂糖、葡萄糖、ジャム、マーマレード、蜂蜜、飴、砂糖の多い菓子、バター、ラード、マーガリン、 大豆油、サラダ油、胡麻油、マヨネーズ、菓子類、ピーナッツ、胡桃、アーモンド、栗、銀杏
・麺 1椀
・ご飯 2椀強
・ジャム 30g
・砂糖
・バター 20g
・サラダ油

真夏の暑い日には誰もが食欲が減り、ひやむぎ、蕎麦、素麺、コーラ、冷えたビール、枝豆あるいは、お茶漬などになりがちでしょう。確かに真夏には食欲が減退しがちですが、同時に体力も落ちているので、栄養価の高い食品を規則正しく食べたいものです。

食べたく無い時でも乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)や卵や野菜などを使って料理を作りたいものです。お昼も冷や麦や素麺にプラス1品の肉料理か卵料理を追加して欲しいものです。また果物や生ジュースも考えて下さい。

夕食のお酒に加えておつまみに力点をおきます。お酒にはカロリーはあっても、血や肉となる蛋白質や体の潤滑油とも言うべきビタミンが殆ど含まれていません。つまり栄養面でのバランスが偏ってしまいます。良質の蛋白質を多く含む卵、肉、魚、大豆製品、などとビタミンやミネラルを多く野菜類を多めに食べるように心掛けましょう。

健康な食生活の基本=食欲の出るような環境+栄養のバランス良い食事+規則正しく楽しく

昔々、建築業界で『夢の建材』と言われ幅広く使用されたモノに『石綿(アスベスト)』がありました。アスベスト問題は、石綿による塵肺、肺線維症、肺癌、悪性中皮腫などの人体への健康被害問題のことを指します。食品でも同様です。食用油として『リノール酸』が世界を駆け巡り、今では『活性酸素』を増やす危険な食品です。また、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸も同様ですが、これが規制されないのは業界の圧力でしょうか?バターがベター!

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