第5節 前立腺癌〔50歳過ぎたらPSA検査〕 

前ページ 次ページ

<PSA検査>

前立腺癌が隠れているかどうかを確かめるたMに、50歳過ぎたら一度はPSA検査を受けて下さい。前立腺癌は、男性が最も気を付けなければいけない癌の一つです。しかし、この癌の初期には自覚症状が殆ど無いので、中々気付かれず見逃されます。

この前立腺癌だけは血液検査で唯一見つかる癌です。PSA検査は、前立腺癌を診断するための血液検査で、定期検診や掛り付け医療機関で受けられます。特に、50歳超えた男性ならばご自身の健康管理(早期発見)の為に、前立腺癌に関心を持って、PSA検査を定期的に受けられる事をお薦めします。※40歳代でも、近親者に前立腺癌の人がいたら、同様に薦めます。

<参考>PSA基準値:日本泌尿器学会推奨のPSA基準値

基準値を超えていたら、癌定期検診として精密検査(生検)が行われます。

・全年齢について0.0~4.0 ng/ml
・64歳以下0.0~3.0 ng/ml
・65~69歳0.0~3.5 ng/ml
・70歳以上0.0~4.0 ng/ml

<死亡へのリスク>

PSA検査の受診で、前立腺癌による死亡のリスクが低下する事が報告されています。ヨーロッパで実施された大規模な研究では、PSA検査を用いた前立腺癌検診を受けた人々の中で前立腺癌による死亡率が大幅に低下することが確認されています。早期発見の為に、日本泌尿器学会でも住民健診で50歳以上の男性に対しては、PSA検査を推奨しています。

<PSA検査前の知識>

PSA検査には、受診することで多くの「利益」がある一方で、検査を受診する事の意識で「過剰診断・過剰治療」に繋がる可能性があるなどの「不利益」も存在します。従ってPSA検査を受診する前に、主な利益と不利益の内容を確認して下さい。不安や疑問を感じた場合には、医師に相談のうえで十分な説明を受けて下さい。

◆PSA検診を受診することの利益

  • 早期発見のお蔭で、前立腺癌で死亡する危険リスクが低くなります。
  • 前立腺癌が転移癌で発見される危険が低くなります。
  • 早期に癌を発見できる事で最適かつ生活の質(QOL)の低下が少ない治療を選べる。

◆PSA検診を受診することの不利益

  • 前立腺癌の中には稀にPSAが全く上昇しない癌もあります。この種の癌では、PSA検査を継続して実施しても見逃される可能性があります。
  • 精密検査として前立腺生検を行う場合があります。この合併症として、時に発熱、直腸からの出血、血尿、あるいは精液に血が混じる事が起こる例があります。
  • 精密検査として前立腺生検でも、前立腺癌が見逃される場合もあります。
  • PSA検査あるいは直腸診で前立腺癌が疑われ前立腺生検を行った場合、癌が診断されないケースが50~80%あります。この場合には、結果的に不必要な生検を受けます。
  • 悪性度の低い癌が見つかり、治療を必要とはしないケースもあります。この様なPSA監視待機療法の対象となる癌は10%くらいと考えられます。
  • 前立腺癌の治療(手術、放射線療法、ホルモン療法など)を行った場合、合併症により生活の質(QOL)が低下する危険があります。
前ページ 次ページ