第2節 おしっこの色〔色を観察して予兆を知ろう〕 

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◆腎炎の予防に~解毒作用、利尿作用のある食品~

●小豆  :
解毒作用や利尿効果でむくみを解消
●すいか :
利尿効果抜群で、解熱作用もあり炎症を抑える
●とうがん:
利尿作用に優れ、ビタミンCやカリウムが豊富
●にがうり:
利尿作用があり、長寿の沖縄の代表的な料理、「ゴーヤチャンプルー」などでいただくとおいしい。

◆おしっこの色

「おしっこは健康のバロメーター」といわれるように、尿が病気の徴候を告げていることもある。尿の状態の中でも、一般の人がひと目で判断できるのが色だろう。赤、黄、緑など、さまざまな尿の色でどんな体の不調が分かるのか。

<尿の色と病気の関係について>

●濃い黄色は脱水のサインのことも

透明
コーヒーやビールなど、利尿作用のある飲み物を飲むと、尿中の水分量が増え、尿の色素で  あるウロビリノーゲンを薄めるため、透明に近い色になる。この場合、異常ではないので心  配は不要。
黄色~褐色
肉食、運動、疲労、不眠、飲酒などにより尿中のウロビリノーゲンが増加し、黄色みが強くなることがある。また、ビタミンB2は黄色なので、ビタミンB2を多く含む食事(緑黄色野菜、レバー、キャビアなど)を摂ると、緑色に近い黄色の尿が出ることがある。汗を多くかいた後も濃い黄色になることがある。
これらに心当たりがなく、濃い黄色の尿が出る場合、脱水のサインである可能性もある。この場合は、水分を多く取ることが必要だ。
茶褐色
尿が毎回、茶褐色の場合、大量のビリルビンが尿中に排泄されている可能性がある。通常、ビリルビンは、ほとんど尿中に排泄されないが、肝障害や胆道の閉塞などにより胆汁の流れが妨げられると、血液中に増え、尿として排泄されてしまう。
赤色
赤い尿は血が混じっていることを示す。膀胱癌の場合、無症状にもかかわらず血尿が出ることがある。なお、尿路感染症、尿路結石、膀胱出血の場合、鮮やかな赤色を示すが、腎臓内で起こる出血の場合、比較的暗い赤色を示す。
緑色
麻酔薬や漢方薬、一部の消化性潰瘍治療薬には緑色の色素を含むものがあり、服薬すると緑色の尿が出る場合がある。また、緑膿菌による膀胱炎にかかると、緑膿菌が産生する緑色の色素により青緑色の尿が出ることがある。閉塞性黄疸になるとビリルビンという色素が尿中に排泄され、尿の中でビリルビンがビリベルジンに変化し、緑色になることもある。

尿の色に何も異常がなく、体の不調も感じない人でも、気付かないうちに腎機能が低下し、検査で初めて透析導入直前の段階にまで慢性腎臓病(CKD)が進んでいたことが分かる例もあります。健康な人でも必ず年に1度は病院で検査を受けましょう。

※透明で多量なら危険です!

黄色:
肝臓や胆嚢
白濁:
精液混じり、肝臓、急性膵臓炎、慢性膵臓炎、膵臓癌(尿検査)

◆尿の泡や外観の異常~ 尿が泡立つ・尿の色がおかしい時~

①尿が泡立つ時は?

尿が非常に泡立つ、と言って泌尿器科の検査に来られる方がいます。異常が無くても、尿は濃くなると排尿中に泡立ちます。しかし、通常は暫く便器の中の尿を見ていると泡が消えます。

毎回泡立ちがあり、泡がなかなか消えない場合には尿に蛋白が混ざっている可能性がありますから検査を受けて下さい。詳しくは、「検尿異常:蛋白尿とは」の項で説明します。

②尿の色がおかしい時は?

時に尿の色の異常に気づくことがあります。

・運動後の茶褐色尿
激しい運動後などに茶色っぽい尿や、コ-ラ色あるいは赤ワイン色の尿が出ることがあります。運動後などには汗をかくため尿は非常に濃くなります。このため茶色っぽい尿が出ても異常と思わない人がほとんどだと思います。これは正しい判断で、異常の無いことが殆どです。しかし、大変ハードな運動をした後には、筋肉が痛んだときに筋肉内の成分(ミオグロ  ビン)が血中から尿中に出て、茶色っぽい尿や、コ-ラ色あるいは赤ワイン色の尿が出ることもあります。体がだるいなどの症状が続く場合は、かかりつけの医院や病院で尿検査と腎機能検査を受けてください。まれに横紋筋融解症による急性腎不全の場合があります。
・安静時の濁った尿、茶褐色尿
一方、運動などにかかわらず、尿がにごっている、コ-ラ色あるいは赤ワイン色の尿が出るのは異常と考えて下さい。まず、透明なコップなどに尿をとって見て下さい。やはりおかしいと思ったら、かかりつけの医院や病院で尿検査を受けて下さい。先に述べた尿検査で病気を調べる必要があります。運動もしていないし、沢山の水分をとっても濃い色の尿が出るの  は、肝臓病などの可能性があります。
・白い色の尿
稀ですが牛乳のように白い色の尿(乳び尿)の出る病気もあります。痛みなどの症状がなくても精密検査を受ける必要があります。

~尿の異常が消える前に検査を

尿の色の異常に気づいた時に注意して頂きたいのは、薬を飲んだり、点滴を受けている場合です。薬によっては尿の色が変わることがあります。いずれにせよ、おかしいなと思ったら、直ぐにコップに尿をとって、その尿を調べてもらうことです。時が経つと一見正常に戻っていることも多く、病気を見逃す危険があるからです。

◆検尿異常:蛋白尿とは

尿の濃さにもよりますが、尿蛋白が(+)と判定された場合には、1日に正常以上の蛋白が 尿に下りていると考えられます。それでは蛋白尿を指摘された場合にはどうすれば良いのでし ょうか?

  • 1) 蛋白尿はなぜ出るのか?
  • 2) 蛋白尿の程度とは?
  • 3) 蛋白尿と言われたら?

①蛋白尿はなぜ出るのか?

まずこれを良く考えていただきたいと思います。腎臓の構造と働きの項で説明しましたが、腎臓に流れ込む血液はまず糸球体というところでろ過されます。この際、蛋白質などの大きな物質は殆ど濾過されません。僅かに濾過された蛋白質も尿細管という細い管を通過している間に処理されるため、正常では尿に出る量はきわめて僅かです。

しかし、糸球体に病気が起こると、多量の蛋白質が濾し出されることがあります。このような場合には、尿細管での処理が間に合わず尿に蛋白が下りる結果となります。従って、尿に蛋白が下りるという場合にはまず糸球体の病気、すなわち慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)などの可能性があります。

もちろん、激しい運動の直後や、高い熱を伴う風邪、重症の高血圧などでも糸球体からの蛋白質の漏れが多くなり、試験紙で陽性になることがあります。また、糸球体は正常でも、尿細管の病気があると、糸球体から漏れた蛋白質の処理がうまく行かず、蛋白尿が出現することがあります。この場合にはそんなに多くの蛋白尿が見られることは少なく、通常は1日1g以下です。逆に、これ以上の量が出る場合には糸球体の病気を考える必要があります。

②蛋白尿の程度とは?

1日にどれだけ尿の中に蛋白が出ているかが重要です。しかし、試験紙で、+、2+、等と言われても、これはあくまでもその尿の蛋白の濃度を示しているだけで、1日にどれ程の蛋白が出ているのかはわかりません。これは蛋白尿の原因を知る上でも重要です。1日の尿蛋白量を正確に測るための方法は検査の項で説明します。

③蛋白尿と言われたら?

蛋白尿を指摘されたら、腎炎の可能性があるのか、問題の無い一過性のものか、あるいは、その他の病気であるのか見定める必要があります。このためにも尿沈渣などの他の検尿所見が役立つことが多いのですが、早朝尿による再検査でも同じように蛋白尿を指摘されたり、1日の尿蛋白が0.5g以上であるような場合には専門医を受診することを勧めます。

いずれにせよ、蛋白尿を指摘されたことのある方は症状がなくてもよりくわしい検査を受ける必要があります。

◆尿の色で分かる病気とは?~緑・茶・赤・濃い・薄い色の健康な状態は~

尿の色は、健康なら濃い黄色か、透明に近い薄い黄色になります。朝一番の尿や汗を大量にかいた後は、水分が不足して尿が濃くなるため、濃い黄色になります。逆に水分を摂り過ぎた時は、尿が薄まって透明な色に近づきます。

尿の色は、水分量によって濃くなったり薄くなったりします。その上で、尿の色をチェックしてみてください。

尿の色健康・病気の状態
透明水分取り過ぎで薄い尿は健康、腎不全、糖尿病
黄色健康、ビタミンB2など、風邪薬などを飲むと濃くなることがある
褐色水分不足で濃縮された尿は健康、ビリルビン肝臓障害など、アルカリ性尿、フェナゾピリジン(尿路感染症の薬など)
赤色血尿(腎炎など)、ポルフィリン症(ヘモグロビンが上手く作れない病気)など
赤ピンク下剤を飲んだ時(センナ、ラキサトールなど)
赤茶色血尿(酸性尿)、ヘモグロビン尿
茶黒色メチルドバ(高血圧薬)、キニーネ(マラリア薬、ドリンク成分)
緑色インドシアニングリーン(肝機能検査薬)
青色インジゴカルミン(腎機能検査薬)
白色膿尿、乳び尿、細菌尿、脂肪尿

◆尿の色で体の状態を判断する方法

「今日の色は濃い黄色」「なんだか少し緑色のような」尿の色が気になる事はありませんか?

◆<尿の色はいつも同じではありません>

体で要らなくなったものを排出するので、その時の体調などによって変化します。つまり、色で体の中の状態がわかるのです。色によって体の状態がわかるのです。

尿の色には、無色・黄色・茶色・緑色・赤色・ピンク色などがあり濃さにも差があります。摂取した食材や薬、体の疲労の程度でも色が変化するため、毎日違うこともあります。

<通常の健康状態の尿の色>

・黄色や薄い黄色
濃い黄色または薄い黄色です。濃度は体の水分量によって変化します。朝の尿や汗を大量にかいた後の尿は、水分が不足するため濃い黄色になります。水分量が多い場合は薄い黄色になりますが、透明に近い黄色の尿は、腎臓の機能低下や糖尿病の疑いがあります。
・茶色っぽい
ビタミン類の薬や風邪薬を飲むと黄色が濃くなり、オレンジ色や茶色に見えることもあります。これは脱水症状で、飲酒過多の場合にもおこります。そのほか、激しい運動により筋肉が壊れると、その色素が尿に混ざって茶色になることがあります。肝臓疾患でも茶色になりますが、その場合は黄疸が症状として伴います。
・緑色っぽい
膀胱炎の疑いがあります。緑膿菌により炎症がおこり菌の色素が尿に混ざり緑色になります。
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