第7節 メタボそしてロコモ〔例のない高齢化社会の到来〕 

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ロコモはメタボほど認知されてない

PH

高齢化が進む日本で、年を取ったら心配な病気や疾患は何かというアンケートに対して、上位の回答は「がん」「認知症」「心疾患」「脳血管障害」などが多くを占めています。

近年急速に広がっているメタボリックシンドロームという言葉は、まさにこうした心疾患や脳血管障害などの内臓系の疾患による死亡リスクが高い状態のこといい注目度が高いことが分かります。内臓系の疾患に関する心配は強く関心が高いのに対して、運動器の健康に対する意識が低いことが伺えます。

日本整形外科学会では、内臓の健康と同様に、人の健康は運動器によって支えられていること、運動器の健康を守るためには医学的な評価と日々の生活の中で対策が必要であること、を意識してほしいというメッセージを込めて、ロコモティブシンドロームという言葉を提唱・普及しています。

ロコモとメタボは、必ずしも合併して発症するとは限りません。しかし、身体は連動して健康を保っていますので、どちらかになれば、当然もう一方のリスクが高くなるといえます。どちらにも悪影響を与えるとわかっているのが「肥満」です。肥満体型の場合、内臓脂肪が多く、高血圧や高脂血症であることが多いです。メタボに当てはまり、心疾患や脳血管障害の危険が高くなります。

そして、肥満体型の場合には体重過多の傾向が強く、体重が多いとそれだけ運動器にかかる負担も増大し、症状が悪化しやすくなるため、ロコモを重症化させる恐れがあるのです。バランスのとれた生活習慣を心掛けることで、適切な体重や体脂肪のコントロールを行うことができます。肥満を防ぐためにも、体重に加えて体脂肪のチェックも行うことが、健康維持の重要なカギとなります。

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