第4節 転倒防止が重要〔特に骨折は注意です〕 

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<ロコモでは転倒防止が大切>

運動器の機能が低下することで、つまづきやすくなります。高齢者の転倒は、骨粗鬆症などの影響もあり、骨折を伴うことが多く危険です。手をついたときの手首の骨折や尻餅をついた時の腰椎の圧迫骨折などが多くみられます。

特に、大腿骨頸部の骨折には注意しなければなりません。大腿骨頸部は太ももの付け根部分で、ここを骨折すると治療に時間がかかります。加重負荷をかけることが出来ないため、治療中は長期間の寝たきりになります。

骨折をするとギブスなどで固定するため、患部周辺の筋肉が衰えて細くなり、筋力が低下します。また動かすことが出来ないため、関節可動域が制限されます。筋力や関節可動域を回復させるには、骨折が治癒した後にリハビリが必要になります。

大腿骨頸部骨折の場合、寝たきりでの治療により、こうした機能低下が全身に起こります。リハビリをしても、なかなか骨折前の状態まで回復する事は困難です。身体を動かさなかったことで運動器が急速に衰え、寝たきり状態になったり、認知症になる場合があるのです。

また、精神活動も低下し生きる気力を失います。高齢者の大腿骨頸部骨折後は寿命が縮むとも言われています。(転倒後、1年以内の死亡率が上がる)

高齢者の転倒は、その後の生活に大きな影響を及ぼしますので、転倒予防のために普段からの筋力やバランス能力の維持・向上は健康を維持するために重要となるのです。医師として長寿で有名な百歳を超えた聖路加国際病院理事長の日野原さんが長寿の秘訣について語ります。杖を突いてでも姿勢を正して歩くそうです。転び方の練習を欠かさないとも言っておられます。

<運動器の障害について>

ロコモは運動器の機能低下が原因であると説明しました。ここでいう運動器とは骨・関節・軟骨・筋肉・靭帯・腱・神経など、身体を支える機能や身体を動かす機能を持った器官の総称のことです。

運動器はそれぞれが独立した働きをしているのではなく、全てが連動して動いています。その為、どれかひとつが悪くなっても身体をうまく動かす事ができなくなります。また、ひとつ損傷することで、いくつかの組織も同時に障害を受けることもありますし、影響を受ける可能性もあります。

<運動器の障害や機能低下は、大きく2つ>

・運動器自体の疾患
運動器自体の疾患とは、変形性膝関節症や脊椎間狭窄症、骨粗しょう症など運動器そのものの疾患があげられます。こうした疾患は、関節の変形、痛み、関節可動域の制限などを引き起こし、筋 力の低下や麻痺、しびれ、体力・バランス能力の低下につながってきます。
・加齢による運動機能の低下
加齢による運動機能の低下「加齢による運動機能の低下」は、筋力、持久力、反射能力、バランス能力などの体力低下があげられます。これらはだれもが加齢によって衰えていくのですが、こうした体力低下に「運動不足」が加わると、運動機能の低下するスピードをさらに速めます。段差を超えたり、とっさに避けたりすることができなくて、転倒の危険が高まります。
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