第53節 応用行法21<正座位>〔胸椎/肋骨上部を調整〕
前述の運動不足による肋骨の萎縮やねじれ歪みに起因する息苦しさ、胸苦しさなどの症状を整える行法は、胸椎と肋骨8~10番を整える運動でした。ここでは、肋骨上部の4~6番を整える運動を紹介します。
<運動の観察>
- ①相手の正座した姿勢の背後に座って動作を診ます。相手には、両掌を上にして膝の上部に置いて貰います。
- ②施術者は、相手の背後に座って膝を開いて相手の腰を挟み込み、胸を相手の背に密着させます。両腕を相手の脇下から差し入れて、ガッシリと肋骨4~6番(相手の胸部の上まで)を締めつける様に抱き付いて圧迫します。
- ③相手にゆっくりと上体を左に捩じらせながら、同時に圧迫した腕で相手と逆に右方向へ軽く捩じります。
- ④捩じりづらさ、不快感が無いか相手に確認して診ます。
- ⑤次には同様にして、右側へもずらして②~④を行います。
被術者(患者さん) | 施術者(治療士) |
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- <1度目>
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- 1)被術者は息を深く吸い込みながら、快適な方向へ上半身を捩じろう力む。
- 2)被術者は吸い込み終わっても暫く3秒ばかり我慢して息を止めておく。
- 3)被術者は静かに息を吐き出しながら力んだままである。
- 4)被術者は吐き切り終わっても暫く3秒ばかり我慢して息を止めておく。
- <2度目>
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- 5)被術者は息を深く吸い込みながら力んでおく。
- 6)被術者は吸い込み終わっても暫く3秒ばかり我慢して息を止めておく。
- 7)被術者は静かに息を吐き出しながら力んだままである。
- 8)被術者は吐き切り終わっても暫く3秒ばかり我慢して息を止めておく。
- <3度目>
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- 9)被術者は息を深く吸い込みながら力んでおく。
- 10)被術者は吸い込み終わっても暫く3秒ばかり我慢して息を止めておく。
- <そして脱力>
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- 11)被術者は、一気に息を口から吐き出しながら、同時に全身を脱力する。
脱力する際には、腹筋も背筋も瞬間的に力を抜いて下さい。
- 11)被術者は、一気に息を口から吐き出しながら、同時に全身を脱力する。