第2節 操體術使用時の呼吸法〔操體術の呼吸法を覚える〕 

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従来の西洋体育学や西洋スポーツは、欧米人の体型に基づいて考案された物です。これを東洋人に適用したために、逆に身体を悪くする例が目立ちます。例えば、柔軟体操が上げられます。一昔前までは柔軟体操と称して、背後から強く体を押して床に体が着く様に強引に押さえ込んだりしました。

欧米人の足長短胴体型に比べて、日本人の短足胴長体型には無理なストレッチ方法でした。近年ではストレスによる生活リズムの乱れや食生活の変化、などによって『腰痛』を訴える人が多くなりました。カルシウム欠乏の結果であることは、何度も述べたとおりです。しかし、現実に痛い症状を訴えている患者さんに対しては、先ず痛みを和らげる必要があります。特に椎間盤ヘルニヤと称される『ギックリ腰』になると入院の事態に陥ることになります。

これらの『腰痛』問題は、痛みを訴える本人でない限り、他人には痛みを分かって貰えません。しかも、この痛みを根本的に取り去る薬や方法も無く、せいぜい痛み止め程度でしかないのです。再発の不安に脅やかされた日々を過ごすことになります。

門外不出の中国拳法奥義の一つに『操體術』があります。現在の日本では、この治療術の存在を知られずに、中国拳法や空手道の特定の流派でしか伝承されておらず、門外不出の秘術として語り継がれて来ました。

今回の『操體術』では『腰痛の予防と治療』に効果があります。まず呼吸法を中心として説明します。この呼吸法が出来なければ、『操體術』は無意味となります。

◆操體術の呼吸動作法【施術者の掛け声に合わせて実行することが効果的です】

※「力む」とは、力を入れた状態を保つことです。

①【吸う動作】
口を閉じて可能な限り時間をかけて、腹式呼吸法でユックリと鼻から息を吸い込む。(この動作と平行して「力む」という動作が必要となる。)
②【静止する】
腹一杯に息を吸ったら、そのまま数秒間だけ静止する。「力む」という動作は、そのまま続けておく。
③【息を吐く】
口を開いて可能な限り時間をかけて、腹式呼吸法でユックリと口から吐き出す。「力む」という動作は、そのまま続けておく。
④【吐き切る】
腹の息を吐き出し終りつつある時点で、勢いよく強く音を立てて一気に吐き出す。慣れるまでは大変です。空手道の「息吹術」とも言われ、最も大事な呼吸法である。「力む」という動作は、そのまま続けておく。以上を繰り返して3回目に⑤の動作へ。
⑤【脱力する】
全ての力・意識・息を脱力する。勢いよく・強く・音を立てて一気に吐き出す。(力んでいた動作から、全身を脱力させ、グッタリとすること。)

この呼吸と動作は①→②→③→④→①→②→③→④→①→⑤の順序で1組になります。この呼吸の動作を3回繰り返す(3回目に⑤の動作)必要があります。