第7節 活性酸素から身を守る〔現代社会は刺激物質環境〕 

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ビタミンEは食べ物として吸収された後、脂肪組織や肝臓などに蓄えられて、出番を待ちます。その主な役割は活性酸素によって細胞膜が破壊されるのを防ぐことです。ビタミンCはビタミンEと違って、細胞膜の外で抗酸化作用を発揮して活性酸素を処理します。

また、最近、新たに抗酸化作用が注目されている薬剤としては「γオリザノール」や「プロプコール」などがあります。特に「プロプコールは動脈硬化の抑制や軽快に有効である」と言われています。

このように動物や植物は、体内に抗酸化作用を示すいろいろな物質を持ち、活性酸素の毒から身を守っています。その物質の内でSODなどの酵素類は、食べ物として利用することは、残念ながら出来ません。それは、これらの物質は胃に入ると消化されて壊れるからです。

しかし、酵素よりも低分子の物質、例えばビタミンEやビタミンC、その他の物質は食べ物として摂取しても消化されることは無く、体の中に取り込むことが出来ます。

■バランスの取れた食生活

特に、色物野菜、果物などをバランス良く食べることは、癌の予防12ケ条の一つに挙げられています。その理由として、これら植物の中にある抗酸化作用を示す物質(SOD様作用物質)が私達の体の中で活性酸素を効率的に消去している可能性が考えられます。

この場合「薬膳」という言葉が文字どおり食卓で実現しているのです。いわゆる生薬として 古くから伝わるものの中にも、こうしたSOD同様の作用を示すものがあるのでしょう。

人間は酸素無しには生きられません。しかし、その酸素は激しい性格によって健康の敵になる場合もあるのです。例えば未熟児が生まれると、酸素テントの中に入れて呼吸を助けます。 この時酸素濃度が濃過ぎると、その害によって眼の網膜が障害を受けて未熟児網膜症で失明す ることがあります。

これは、酸素のもつ毒性が、目に見える形で現れた例ですが、体の内部の目に見えないとこ ろでも、同様に酸素のマイナス面が健康や美容に障害を与えていると考えられます。

こうした体内の過剰な活性酸素を、如何に消去してゆくかが、これからの健康や病気治療を考えてゆく上で大きなテーマになっています。酸素との付き合いをやめられない以上は、そして活性酸素を発生させる環境が続く以上は、如何にして活性酸素やフリーラジカルの害を防ぎそれらと仲良く折り合って行くかを考えることが必要な時代に来ているのです。

活性酸素酸素と病気との関連については、新しい事実が次々に発見されており、こういった研究の延長線上に、病気治療や美容面への応用についても、大きな進歩が期待されています。