第6節 活性酸素の害を自衛するSOD〔抗酸化作用を示す物質達〕 

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活性酸素には、その他に「水酸化ラジカル」「過酸化水素」「一重項酸素」などの種類があります。中でも「スーパーオキシド」は他の活性酸素の発生源として注目すべき物です。

植物も動物も共に、その組織内や体内にはSODが作られており、活性酸素を退治しています。活性酸素が発生しても、それに見合うだけのSODが作られていれば、健康維持の上で特に問題は無いはずです。

しかし実際は、そう簡単に行きません。活性酸素の発生は、感染や化学物質の体内侵入、放射線などによって絶え間なく起こっているのです。現代社会に生きる私達は、大気汚染、食品添加物、農薬、洗剤、殺虫剤などの有害な化学物質に取り囲まれており、これらの影響から逃れることは困難です。

また、歳をとると活性酸素から受ける障害が増えて参ります。42歳が厄年といわれこの頃から成人病(生活習慣病)に気をつけろ、癌年令に達した、などといわれるのも加歳によって活性酸素の障害を受けやすくなることと、無関係ではないでしょう。

活性酸素を特集した某テレビ番組では、実際年令よりも若く見える人、元気な人を集めて、血液中SOD活性酸素を測る実験をしました。その結果、こういった人々は、普通の人と比べてやはりSOD活性酸素が高い、という結果が出ていました。

考えてみると、これは十分予想されたことです。皮膚のシミなどの老化に伴う変化には、活性酸素が有力な原因となっているのですから、SODは老化に伴う体の変化を防ぐ可能性があるわけです。(このテレビ番組の話は後述します。)

こういったSODの働きを病気治療に使えないかということで、いま盛んに研究が進められています。しかし、SODは酵素なので、体内に入ると直ぐに壊れてしまいます。それを防ぐために、SODをリポゾームなどに包んだ注射薬などが開発されていますし、ヒトSODを大量生産する研究も進められています。

また、SODの他にも抗酸化作用を示す物質は沢山あります。SODと同じ酵素系では「カタラーゼ」や「グルタチオンベルオキシターゼ」などがあります。グルタチオンベルオキシターゼは、様々な酸化物を還元する働きがあることから、体内の極めて重要な抗酸化剤であることが明らかになって来ました。

この物質は、人間と動物の赤血球、肝臓、腎臓、肺、脳、心臓などのほとんどの臓器で発見されており、体の中で、広く活性酸素と過酸化脂質の処理を行っていると考えられます。

酵素ではないが、抗酸化作用を示す物質も相当あります。代表的な物としては、ビタミンE(αトコフェロール)やビタミンC(アスコルピン酸)があります。ワインが見直されているのはフラボノイドを含むからです。