第5節 フリーラジカルが関与する疾患〔活性酸素と病態・疾患群〕 

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フリーラジカルが関与している病態と疾患を整理すると、次の病気に関係してます。

活性酸素は、まったくの悪玉かというと、そうではありません。むしろ人体にとって必要な物でもあります。活性酸素が無ければ、体のバランスをとる生体調整機構、免疫をつかさどる生体防御機構そのものが、成り立たないと考えられます。

例えば、先にも触れた様に、体内に細菌が侵入して来ると、白血球などの免疫細胞が総動員されて立ち向かいます。その時に細菌をやっつける武器となるのが活性酸素なのです。活性酸素が無ければ防衛細胞は敵をやっつけることが出来ません。癌細胞が発生した時も、それを攻撃する武器はやはりこの活性酸素です。

しかし免疫機能は複雑で、免疫の働き手であるリンパ球は酸性化されると弱ってしまう、という特徴を持っています。活性酸素や過酸化脂質に触れると、たやすくその機能が損なわれてしまう。そうであれば、酸化を防ぐ物質『抗酸化物』を与えてやれば、リンパ球は再び元気になるはずです。実際にそういった実験を行うと、衰えた免疫機能が再び活性化することが分か っています。

こうしてみてくると、活性酸素は善玉と悪玉との両方の顔を持っていることが分かります。活性酸素は、必要な時に、必要な場所に、必要な量だけ発生すれば問題は無いのです。しかし実際そううまくは行きません。問題なのは、必要以上に過剰な活性酸素の発生存在なのです。

以上を踏まえて、過剰な活性酸素は人体に悪影響を与え、老化を促進すると共に、癌を始めとする様々な病気の原因になっています。こういった活性酸素の害を防げないのでしょうか?

そうではありません。酸素が無ければ生きられない地上のほとんどの生物は、こういった活性酸素の害から身を守る自衛手段を持っています。その一つがSODです。これは活性酸素の一つであるスーパーオキシドを取り除く酵素です。次に活性酸素の害を自衛するSODについて説明します。