第3節 活性酸素による病気や障害〔老化や成人病の発生原因〕 

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活性酸素は、老化と成人病予防のカギを握る物質として、今大きな注目を集めています。それは活性酸素が「過激」といわれる毒性で老化を促進し、様々な成人病の原因になっていることが、次第に解って来たからです。では、活性酸素は人体にどんな障害を及ぼしているのでしょうか。

活性酸素が健康に悪い影響を与えるのは、大きく分けて次の二つの理由があります。

①脂質を過酸化する作用

体を作っている蛋白質や脂質は活性酸素(フリーラジカル)の攻撃を受けると変成を起こして様々な病的状態を顕します。中でも最も活性酸素の影響を受け易いのが脂質です。脂肪分は細胞の表面を守る生体膜の大事な構成要素で、この膜には不飽和脂肪酸が多く含まれます。

この不飽和脂肪酸が活性酸素によって酸化され易いのです。過酸化脂質は非常に困った物質で、それ自体が強い毒性を持っているほか、血管に付着して動脈硬化の原因になります。動脈硬化は高血圧へ進み、放っておくと脳出血や心臓疾患(冠動脈不全からくる狭心症や心筋梗塞)へと進みます。糖尿病も発症するでしょう。

活性酸素
脂質
過酸化脂質

過酸化脂質はまた、リポフスチンという物質を作り、シミ、シワ、皮膚の衰えの原因ともなります。

②細胞を破壊する作用

細胞の表面は生体膜という膜に覆われていて、この膜が細胞を守っています。この膜は単なる保護作用だけでなく、体の働きを活き活きさせる生理活性物質としても働いています。また、細胞を養う栄養物質の受入れ窓口でもあり、酵素としての働きもも行います。いわば、細胞の命はこの膜によって保護されている訳です。

この大切な細胞膜を、活性酸素とその結果生じた過酸化脂質とが破壊してしまいます。こうなると細胞は死んでしまいます。死なない場合でも、色々と不都合が起きてきます。

細胞膜が破壊されると、細胞の中からいろいろな物質が滲み出て来て、これがまた新しい障害の原因になっていくのです。まさに、悪循環という他ありません。