第4節 活性酸素がなぜ発生するか〔毒性酸素の諸刃の刃とは〕 

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私達は何気なく酸素を吸っています。大気中には酸素が21%含まれています。この酸素は良い役目だけをしているのでは有りません。端的な例を挙げますと、未熟児分娩による酸素テントで酸素を多量に投与すると障害や後遺症が生じます。

酸素は、体の中に入りますと非常に他の物質とくっつき易い性質を持っており、より活性の高い、いわゆる「活性酸素(フリーラジカル)」に変換され、最後には水となります。この生じた活性酸素は、良い働きだけでなく、悪い作用をしていろいろな病気の原因となります。

先に述べた動脈硬化や癌の発生が、その例ですが、その他にもいろいろな成人病の発生や仕組みに関与しています。このため、活性酸素の発生原因や、その消去方法を知ることは、成人病の原因の追求や予防法や治療の確立に不可欠となります。

では、活性酸素はどのようにして発生するのでしょうか?大きく分けて二つあります。

活性酸素
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体内で自然に発生
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外からの刺激や侵入

体内では、組織が虚血状態(即ち酸欠状態)になると生じてきます。また、白血球などが細菌を殺す時にも生産され、殺菌機構としても重要です。しかし、殺菌時のみでなく白血球はいろいろな刺激で活性酸素を生産し、病気の原因となります。

この様に、虚血性疾患すなわち心筋梗塞、脳梗塞、胃潰瘍、開心術時、臓器移植時など、あるいは白血球が関与する各種炎症時などで生産されます。

現代社会はこの活性酸素を発生させる刺激物質で囲まれており、その中で生活しているともいえます。放射線、紫外線、タバコ、排気ガス、農薬、食品添加物、洗剤などは、それ自身が活性酸素であったり、体を刺激して活性酸素を発生させたりして、いろいろの障害を生じさせています。

放射線によって癌を殺すのもまた癌を発生させるのも、この活性酸素によるものなのです。癌にとっても、正常な細胞にとっても、これは害となり、いわゆる両刃の剣なのです。癌細胞も正常細胞にとっても、併せ持っています。

紫外線による殺菌も同様で、紫外線は細菌にとっては有害であり、この作用を利用したのが殺菌灯です。