第43章 斜視と弱視〔幼稚園児までに発見したいですね〕

インデックス 第1節 斜視を治そう〔視力低下から弱視まで〕  | 第2節 弱視に気付きましょう〔弱視の見分け方〕

◆視力も成長する

あかちゃんがいます。じつとこっちを見つめて、何が見えているのでしようか?しかし、産まれたばかりのあかちゃんには、明るいか暗いかくらいしか分かりません。しかし、1ケ月くらいで、モノの形が、2ケ月くらいで色が、分かるようになります。更に、4ケ月になると、動くものを追つて目を動かせるようになります。そして、6歳くらいには大人と同じくらいの 視力を持つようになります。

◆視力の発達にはモノを見ることが大切

子供の視力が発達するためには、毎日ものを見ている必要があります。これは、目から受けた刺激を、脳が正しく理解するのに、訓練が必要だからです。訓練といっても、特別なことをするわけではありません。目を開けて色々なモノを見ている内に、目からの刺激を脳が正しく理解するようになるのです。

◆斜視

2節図3

普通、モノを見るときには、右目も左目も両方の目が、見ようとするモノの方向に向いています。ところが、片方の目が見ようとするものを見ているにも関わらず、もう片方の目が目標と違う方向を向く場合があります。これを斜視といいます。斜視は子供の2%くらいにみられる病気です。

◆斜視の種類

斜視は目の位置によって、内斜視、外斜視、上斜視、下斜視にわけられます。


  • 第1節 斜視を治そう〔視力低下から弱視まで〕

    ◆斜視の原因

    斜視の原因として、次のようなものがあります。

    ①目の筋肉や神経などの異常
    目を動かす筋肉や神経に僅かの異常があると、目の位置がずれ、両目が一緒に正しくものを見ることができず、斜視になります。
    ②遠視
    目はモノを見るときにそのモノにピント合わせを行います。近くを見るときには、目は内側によります。遠視では、強くピント合わせを行わないと、はっきりと見えないため、目はかなり内側に寄ってしまい、斜視になる場合があります(内斜視)。
    ③両眼視の異常
    遺伝や脳の一部の僅かな異常が原因で、両眼視がうまくできない場合、それぞれの目がばらばらな方向を見るようになり、斜視になります。
    ④視力不良
    病気やけがで、片方の目の視力が悪くなると両眼視ができず、視力の悪い目が斜視になる場合があります。大抵の場合、その目は外側を向きます(外斜視)。

    ※両眼視とは2つの目で見たものを脳で1つにまとめる働きのことです。この両眼視ができないと、モノが二重に見えたりするばかりでなく、立体感を感じることもできません。両眼視は生後1年くらいでできるようになり、6歳くらいには完成します。

    ◆斜視の検査

    斜視は両目の向きが異なるため、少し気をつけると、家族の方が見ても分かります。斜視は早期に治療しないと、弱視やモノが二重に見える複視の原因になりますので、斜視に気がついたら、早く眼科を受診しましょう。

    ※偽斜視

    あかちゃんは、鼻が低くて、その根元が十分に発達していないために、両方の目の間が広くなっており、白目の内側が見えない場合があります。外見上は内斜視のように見えますが、本当は斜視ではありません。これを偽斜視といいます。偽斜視は鼻の根元が成長するに従って、内斜視のように見えていたものが、正常に見えるようになります。

    ◆斜視の治療

    斜視の原因が遠視の場合には、通常、凸レンズのメガネを掛けて、遠視を矯正します。時には調節を改善する目薬を用いることもあります。また、原因が遠視以外の場合には、目の筋肉を調節する手術を行うことがあります。宇術は通常、点眼麻酔で短時間で終わりますが、乳幼児の場合には、全身麻酔で行います。

    但し、手術で目の向きを治しても、両眼視ができない場合がたまにあり、この場合には両眼視のための訓練を行う必要があります。また、斜視から弱視になっている場合には手術の前や後に弱視の視力増強訓練を行う必要があります。

  • 第2節 弱視に気付きましょう〔弱視の見分け方〕

    ◆弱視の検査

    弱視はどうやって調べるのか?斜視と違い、弱視は保護者の方が注意していても分からないことがままあります。特に、片方の目だけが弱視の場合、良い方の目で普通に見ているため、気がつかないことが多いようです。3歳児健診の視力検査を必ず受けるようにしましょう。

    <家庭で弱視を発見するには>

    • TVを前の方で見る
    • 目を細める
    • いつも頭を傾けてモノを見る

    など、いかにもモノを見にくそうにしている場合には注意しましょう。また、片目がよく見える場合には、なかなか気づかないので、片目を隠してカレンダーや時計を見せてみます。少しでも異常に気がついたときには、必ず早目に眼科を受診しましょう。

    ◆弱視の治療

    視力の発達が抑えられている期間の長さや程度によって、良くなる場合とならない場合があります。3歳くらいまでに見つかると治る可能性は高くなります。

    弱視を治す方法としては、遠視が原因の場合には遠視用のメガネを掛けます。その他の場合は弱視の視力増強訓練を行う必要があります。弱視の視力増強訓練は遮閉法という方法で行う必要があります。

    遮閉法は普通、良い方のH目を隠すことによって、弱視の目を無理に使わせようとする方法です。この方法は病院だけではなく、家庭でもずっと行わないと意味がありませんので、家族の協力が必要となります。遮閉法を行うときには 眼科医の指示に従いましょう。

    また、4歳児以上では、視能訓練上による器械を利用した訓練を行います。