第37章 ドライアイ〔気付かないと危険です〕

インデックス 第1節 涙とコンタクトレンズ〔涙が極めて大切な仕掛け〕  | 第2節 ドライアイの検査〔眼科医に行ってみよう〕  | 第3節 ドライアイの対策〔日常生活での注意点〕

ドライアイは様々な原因によって、涙の質や量が変わってしまうことで眼球の表面に障害が起きる目の病気です。いったい涙がどうなってしまったのでしょうか?ここでは涙の基本的なしくみや働きを理解しながら、ドライアイとつきあってゆく方法を探ってみましょう。

◆涙の流れ~涙はどこから来て、どこへ行く?~

2節図3

まぶたの外側あたりが『主涙腺』という涙の生産工場でう。ここから出てきた涙は、目の表面を一様に潤したあとに約10%は蒸発します。

残って古くなった涙は、目の内側にある小さな穴(涙点)行き、そこから目と鼻をつなぐ涙小管と呼ばれる器官から鼻涙管と呼ばれる涙の排水管を通り、鼻孔へ流れます。

◆まばたきのポンブが涙を運ぶ

まばたきは、いわば涙のポンプです。まばたきをする度に、目の表面に一定量の涙が送り込まれます。乾きそうになると、また、パチリとまばたきます。1分間に約20~30回程まばたきを繰り返して、目の表面をリフレッシュさせています。

Q:
読書やコンピュー夕一作業などをするとまばたきが減り、目が乾くというのは本当?
A:
本当です。精神を集中させて小さな文字を追ったリ、コンピューター画面を見続けていると、まばたきの回数はなんと昔段の約3分の1になります。仕事中などは、意識してまばたきの数を増やしたり、適度な休憩をとって目をリフレッシュさせましよう。

◆涙のはたらき

かよわい目を守る 涙のベールです。目が正常な働きをするために欠かせないもの。 傷つきやすく、かよわい目を外界のバイ菌や異物から守ります。角膜へ酸素や栄養分を届けるのも涙の役目です。他にも「ものを見る」という目の働きを ざまな点から支えています。

<主な働き>

  • 目の表面を外界から守り乾燥を防ぐ
  • 角膜に酸素や栄養を届ける
  • 目が鮮明な像を結べるように角膜表面を滑らかに保つ
  • バイ菌などの侵入や感染を防ぐ
  • ゴミやホコリを洗い流す
  • 第1節 涙とコンタクトレンズ〔涙が極めて大切な仕掛け〕

    ◆涙の膜構造

    涙の膜は不思議なサンドイッチ構造です。涙の膜は、目の表面から『油層』、『水/ムチン層』、『膜型ムチン』という構造になっています。このうち98%が『水/ムチン層』ですが、この『水/ムチン層』をちようどサンドイッチのパンのように『油層』と『膜型ムチン』がはさんでいます。

    涙はわずか1000分の7ミリの薄い膜です。このなかで『油層』はコップに油を一滴たらしたときのように薄い膜を張って、涙の蒸発を防ぐ役目を持っています。また、『膜型ムチン』は涙が流れ落ちないように、目の表面に粘着する糊の役目を果たしています。

    ◆涙が減ると目は危険な状態

    目はまぶたを開けたままにしたり、涙が減ったりすると、角膜の上に ドライスポットという乾燥した部分が現れます。普通はこうなる前に、 まばたきをして目の表面を潤していますが、涙の質や量が低下したり、必要以上に蒸発するとまばたきをしてもドライスポッ卜は残ったままになります。やがて、最も痛みに敏感で傷付きやすい角膜が露出し、乾燥することで剥がれ落ちて、角膜上皮の障害が発生します。

    Q:
    目が乾きやすいのは、どんなときでしようか?
    A:
    「目が疲れた」と感じたとき、その原因の約60%が「目の乾き」といわれています。
    次にあげる項目に心あたりのある人は要注意です!
    • コンピュータ一作業をして いるとき
    • 運転や細かい作業など 精神集中が必要なとき
    まばたきが少なくなり、 目が乾きます。
    • 乾燥した部屋にいるとき
    • 飛行機に乗っているとき
    涙が乾燥しやすいので、目が乾きます。
    • 睡眠不足のとき
    • ストレスが強いとき
    • ある種の降圧剤や精神安定剤を服用しているとき
    • 一部の緑内障の治療点眼薬を使用しているとき
    涙の質や量が低下し、目が乾きます。

    ◆コンタク卜レンズについて~涙あってのコンタクトレンズ~

    2節図3

    朝起きると、まずコンタクトレンズを装着する。そんな毎日をおくっている人も多いはず。でも、コンタクトレンズは黒目、すなわち角膜の上に直接乗っているわけではありません。角膜とコンタクトレンズの間では、涙が潤滑液となって目を保護しています。

    ◆コンタクトレンズと涙のあぶない関係

    目の表面には、まばたきの度に新鮮な涙が運び込まれています。しかし、コンタク卜レンズで角膜にフタをした状態になると、まばたきによる涙の交換率はぐんと下がります。ハードコンタク卜レンズ装用時では約20%、ソフトコンタクトレンズ装用時では2~3%になります。

  • 第2節 ドライアイの検査〔眼科医に行ってみよう〕

    Q:
    ドライアイと診断されたのですが、コンタクトレンズを使い続けてはいけませんか?
    A:
    多くのソフトコン夕クトレンズやハードコンタク卜レンズは目を乾きやすくしますが、保湿性の高いソフ卜コン夕クトレンズの中には反対に目を乾燥から守るものもあります。眼科医に相談して適切なコンタクトレンズを選んで貰いましょう。

    ◆ドライアイの症状

    ドライアイは気づきにくい「病気」です。ドライアイとは、涙の量が減ったり、涙の成分が変わってしまうことで、目が乾き、角膜や結膜に陣害がおきる疾患です。放置しておくと、視力が低下したり、目を開けるのがつらくなったりします。

    ただ、初期症状はとてもあいまいで、何となく日が疲れやすいなど自分で気づきにぐいのが難点なのです。

    <ドライアイの主な症状>
    ・目がごろごろする・目が乾いた感じがする・涙が出る
    ・目が痛い・何となく目に不快感がある・目が赤い
    ・光を見るとまぶしい・めやにが出る・目が疲れる
    ・モノがかすんで見える・目が重たい感じがする・目がかゆい
    Q:
    ドライアイの患者は、いま日本にどれくらいいるのですか?
    A:
    およそ800~2200万人といわれています。ドライアイは近年、目の疾患として広く認知されれるようになりました。コンピュータ化されたオフィス環境やエアコンの普及による目の乾燥などがドライアイを増やす原因のひとつと考えられます。

    ◆ドライアイの検査

    気になったら、まず眼料で涙の質と量のチェックをしましょう。眼科では、視力検査などの基本的な検査のほか、涙の量を調べるシルマー試験、涙の質を調べるBUT検査をして、ドライアイであるか、他の病気であるかなどを調べます。

    ◆ドライアイの治療

    2節図3

    眼科では、涙に潤いを与える点眼薬や涙の成分である水分やムチンを出す点眼薬、そして眼の障害を治す点眼薬が処方され、ほとんどの人はこれらの点眼薬で症状が改善できます。また涙の排出路をふさぐ液体コラーゲンやシリコンのプラグや手術で涙の流出を防ぐという方法もあります。 症状によっては目のまわりの湿度を高く保つメガネを勧められる場合もあります。


  • 第3節 ドライアイの対策〔日常生活での注意点〕

    ◆日常でのドライアイ対策~日常生活での注意点

    ①家庭では
    編物や針仕事をするときは、意識してまばたきをする。
    暖房器具を使うときは、加湿器もいっしょに使う。
    ②ドライブでは
    エアコンや外からの風が直接目に当たらないように注意する
    運転中は緊張が高まり、まばたきが減るのでつねに余裕をもって運転する
    ③洗顔洗髪のとき
    洗剤が目に入らないよう十分に注意する
    ④職場では
    コンピューター作業時はまばたきが激減するので、適度に休憩する
    エアコンの風が直接当たらない位置に座るのも大切です
    ⑤飛行機では
    機内は湿度が数%まで低下することがあるので、目薬を忘れず携帯する
    コンタク卜 レンズの人はメガネに変えておく方が無難です
    ⑥煙草の煙
    タバコの煙も大敵で、周囲の人が吸っている場合は自分の目に当たらないよう注意する

    ◆ドライアイかも?

    2節図3