第6章 アトピー性皮膚炎〔アレルギーとの戦い〕

インデックス 第1節 アトピー素因〔なぜ罹るのか〕  | 第2節 検査と症状〔アレルギーの犯人〕  | 第3節 各種の症状とレベル〔自分で皮膚を観察〕  | 第4節 皮膚症状の変化〔乳児~小児~成人〕  | 第5節 薬物療法など〔用途と用法を守る〕  | 第6節 連する病気〔素人判断より専門医〕

アトピー性体質のある人に生ずる痒みの強い、慢性に繰り返す湿疹です。喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、じんましん、などができやすい遺伝的アレルギー性体質(アトピー性体質)を持っている人は、生まれつき、色々な物質に過敏で、草木の花粉、ダニ、家の中のほこり、カビの胞子などに触れたり吸い込んだり、そのほか生活環境のいろいろなものが刺激となってこの皮膚炎をおこします。年齢によって症状が多少変わるのも特徴で、乳児型、小児型、成人型の3型があります。

1)乳児アトピー性皮膚炎

生後2か月前後を経過するころからみられる。最初は、頬に赤い斑点やぼつぼつ(丘疹) ができ、ついで小さい水ぶくれ(水疱)が現れ、やがて頬から前額、下顎が冒されます。進 行すると頭部にまで及び、広範囲にわたって赤くなり、滲出(しんしゅつ)液がじくじくと しみ出し、これが乾燥してカサブタをつくる。掻いたり、擦ったりすると一層の赤みを増し 液の滲出も酷くなって悪化します。

2)小児(幼児)アトピー性皮膚炎

満1歳過ぎのころからみられるが、もっとも多いのは4~7歳です。できやすい部位は肘や膝のくぼみで、皮膚が厚くなるのが特徴で、乾燥してかさかさしてきます。表面の皮膚の線溝が深くなってはっきりみえ、触れると厚ぼったくざらざらしています。痒みが非常に強くて、患部をかきむしるように強くかき、ひっかき傷ができて血がにじみ出るようになり、症状がどんどん悪くなります。

小児乾燥型湿疹は小児アトピー性皮膚炎の比較的軽症な場合の特徴をとらえた診断名で、満1歳以上7歳くらいまでの間に起こります。胴体、肩、腕、大腿などにできやすく、患部の皮膚は乾燥してざらざらしています。よく見るとアワ粒くらいの大きさの皮膚と同色の小さいぼつぼつ(丘疹)がたくさん固まってできていたり、広範囲に渡ってできていたりします。表面が白い粉を振りまいたようにみえるところもある。赤みはあまり強くない。冬季に酷くなる性質があり、夏季の汗をかくころは、痒みもなく、良くなっていることが多い。

3)成人アトピー性皮膚炎

思春期以降になると、肘と膝のくぼみにみられる症状です。すなわち皮膚が厚くなり、乾燥してかさかさとなり、皮溝が深まる症状が更に広がり、頸部、顔面を好んで冒し(成人顔面型)、更に悪化すると全身にみられるようになります。

この皮膚病は、季節の変わり目にとくに再燃してかゆくなる。外用治療が重要で、副腎皮質ホルモン剤を含んだ軟膏・クリームの塗布が原則です。滲出液が出る場合は、患部に細菌が増殖して治りにくくなっているので、抗生物質を必要とすることもあります。

副腎皮質ホルモン含有外用剤の長期連用による副作用を防止するため、改善時には保湿と保護を目的とする外用剤に変更し、あるいは細胞性免疫抑制剤含有軟膏に変更し、これらを症状にあわせて適切に使い分けることが重要です。治療の際に注意するべきことは、痒みを止めて患者に患部をかかせないようにすることで、かくと痒みがいっそう強くなり、皮膚の症状も悪化する。(痒みと掻破(そうは)の悪循環)

痒みを止めるには、全身療法として抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を内服させます。またこの皮膚は太陽の日焼けをせずケロイドのような皮膚になっています。海水浴は要注意です。海水の塩分を十分にシャワーなどで洗い落として下さい。海水浴で治る場合もありますが、それは太陽が現れる、日の出前の海水浴に限ります。

  • 第1節 アトピー素因〔なぜ罹るのか〕

    アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎の治療の目標は、症状を上手にコントロールし、日常生活に支障ない状態を維持することです。医師の指導に従いながら、気長に病気とつきあい、根気よく治療を続けていきましょう。

    <原因>

    アトピー性皮膚炎の原因ははっきりと分かっていませんが、遺伝による体質に、環境などが強く関係して発病すると考えられます。それぞれにはアレルギーに関係するものと、それ以外もあります。これらは発病のきっかけになると同時に症状を悪化させる原因にもなります。

    <アトピー素因>

    アレルギーを起こしやすい体質が家族や自分にあればアトピー素因があるといいます。人の体には体の中に入った特定の異物を除く、免疫という仕組みがあります。これは異物(抗原:アレルゲン)に対して反応する抗体(免疫グロブリンE:IgEというタンパク質)を作って、体から除く仕組みですが、この免疫が異常に強く起こることをアレルギー反応といいます。

    但し、アトピー性皮膚炎だと必ずこの体質であるというわけではなく、また、アトピー素因があってもアトピー性皮膚炎にならない人もいます。

    皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)

    健康な皮膚では、皮膚の表面の角質層に十分な量の保湿成分や油分(アミノ酸やセラミドなど)を持っていて皮膚のバリアができ、体内の水分が出ていったり、外からさまざまな物質が侵入するのを防いでいます。

    一方、アトピー性皮膚炎の人の肌は、保湿成分やセラミドが少なく、乾燥肌(ドライスキン)の状態にあることが分かっています。バリア機能が弱くなっているので、アレルギーの原因となる異物(アレルゲン)や微生物が侵入しやすく、汗などの刺激に弱くなります。アトピー性皮膚炎の人が薬や化粧品、金属などにかぶれやすいのも、このためです。少しの刺激で痒みが出るので、そこを掻いてしまい、掻くことでバリア機能がさらに破壊され、刺激物がますます侵入し易くなり、炎症を起こしてさらに痒みが酷くなる、という悪循環に陥り易いのです。

    アレルギーに関係するもの

    2歳までの場合、アレルギー的因子(アレルゲン)として代表的なものは、食物とダニです。食物で代表的なものは、卵、牛乳、小麦や大豆です。3歳以降は食物の影響は殆どなくなり、ダニや花粉の影響が大きくなると考えられます。自分がどんなものに対してアレルギーを持っているかは、アレルギー反応検査で調べることができます。

    アレルギー以外のもの

    繰り返し掻くことによる刺激、汗の刺激、乾燥、化学物質の刺激、ストレスなどの心理的な原因などが、アトピー性皮膚炎の発病や悪化に関係しています。

  • 第2節 検査と症状〔アレルギーの犯人〕

    <アトピー性皮膚炎を発症/悪化させる原因>

    体質に関連する原因
    • アトピー素因
    • 皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)
    環境に関連する原因
    • アレルギーに関係するもの(アレルギー的因子)
      食物(卵、牛乳、小麦粉、大豆など)ダニなど
    • アレルギー以外のもの
      汗、感想、掻くこと、など

    ◆検査と症状

    アレルギー炎症を起こす物質(アレルゲン)を見つけるために、血液検査や皮膚検査を行うことがあります。症状は、多くは年齢によって変化します。

    アトピー性皮膚炎の発病や悪化の原因の一つに、アトピー素因をもった方に皮膚の炎症を起こさせる原因物質(アレルゲンを含む)がありますが、それらを見つけるために血液検査や皮膚検査などのレルギー反応検査を行うことがあります。

    ◆アトピー性皮膚炎とアレルゲン

    アトピー性皮膚炎の発病や悪化の原因の一つに、アトピー素因をもった方に皮膚の炎症を起こさせる原因物質(アレルゲンを含む)があります。それらを特定するには、専門の医師が慎重に検査必要があります。特に食物に関しては自己判断で安易に制限したりしない事です。

    ◆アレルギー炎症を起こす物質(アレルゲンを含む)を見つける方法

    ・血液検査
    アレルゲンを見つけるための検査のひとつに IgEラスト法という血液検査があります。候補 物質に対して「陽性」か「陰性」かについて調べます。但し、この検査で陽性でもアトピー性皮膚炎の症状が出ない方もいます。
    ・皮膚検査
    スクラッチテスト(針で少しだけ皮膚をひっかく)とパッチテスト(皮膚に貼る)があります。どちらも皮膚に候補物質をつけて反応をみる検査です。
    ・皮内検査
    候補物質を皮膚に注射して反応をみます。
    ・負荷試験/除去試験
    原因食物を特定する時に行います。まず原因食物を食べないようにして状態を観察し、その後、少しずつ原因食物を増やして、症状の悪化があるかどうか観察します。専門の医師によって、注意深く、時間を掛けて行う必要がある試験です。
  • 第3節 各種の症状とレベル〔自分で皮膚を観察〕

    ◆発疹(湿疹)の重症度

    発疹の程度は皮膚の場所ごとに、以下のような目安で評価します。これが皮膚のそれぞれの場所の治療方法を決める目安になります。

    重症
    • かなり酷い腫れやむくみが広がっている紅斑や、ごわごわした紅斑がある。
    • ぶつぶつ(丘疹)が多発している。
    • かなり酷いフケ(麟屑)がある。
    • 瘡蓋(かさぶた)が出来ている。
    • 小さな水ぶくれ(水泡)、じくじく(びらん)、多数の掻き壊しがある。
    • ごつごつ(痒疹)などがある。
    中等症
    • 中程度の腫れ(紅斑)がある。
    • フケ(麟屑)がある。
    • ぶつぶつ(丘疹)や掻きこわしが少しある。
    軽症
    • 乾燥がある。
    • 軽度の腫れ(紅斑)がある。
    • フケ(麟屑)がある。
    軽微
    • 炎症症状のあまり無い。
    • 乾燥症状がある。

    ◆アトピー性皮膚炎にみられる皮膚の状態

    アトピー性皮膚炎でみられる主な皮膚の状態には、次のようなものがあります。

    • かさかさと皮膚の水分が少ない乾燥した状態(乾燥)。
    • フケのようなかさかさしたものが落ちる(鱗屑:りんせつ)。
    • 赤い腫れ(紅斑:こうはん)。
    • ぶつぶつした小さなドームの形の盛り上がり(丘疹:きゅうしん)。
    • 大きめのごつごつしたしこり。強い痒みを伴う(痒疹:ようしん)。
    • 掻き壊したあとにできる、かさぶた(痂皮:かひ)。
    • みずぶくれ(水疱:すいほう)。
    • 皮膚の浅い部分がはがれて、じくじくとただれた状態(びらん)。
    • 掻き壊しを繰り返し、ごわごわと皮膚が厚く硬くなってしまった状態(苔癬化)。
  • 第4節 皮膚症状の変化〔乳児~小児~成人〕

    ◆年齢による症状の特徴

    アトピー性皮膚炎は、年齢によって皮膚の症状が変化するのが特徴です。

    乳児期(1歳未満)

    初めは顔や頭に、その後次第に全身に、じくじくした腫れ(紅斑)やぶつぶつ(丘疹)が現れます。頭や眉毛には、黄色いかさぶたのような湿疹ができます。これらの症状は、アトピー性皮膚炎でない乳児にも見られるもので、自然に治ることも多いため、すぐにアトピー性皮膚炎と診断することはできません。症状が2ヶ月以上続いた場合に、アトピー性皮膚炎の可能性が出てくるのです。この時期、赤ちゃんは新しい食べ物を口にし始めるため、そのたびにさまざまな症状が出ることがありますが、慣れるにしたがって、体がその食べ物を受け入れるように成長していきます。あまり神経質にならないことが大切です。

    幼児・小児期(1歳~15歳)

    この時期になって初めて、アトピー性皮膚炎の症状がはっきりしてきます。乳児期はじくじくした発疹でしたが、この時期には皮膚が全体に乾燥し、かさかさしてきます。ひじや膝の裏などの関節の内側には、あせものような発疹やじくじくした発疹がみられ、ごわごわした皮膚(苔癬化)になることも多くあります。首にもよくみられます。またこの時期には、さまざまな合併症を起こしやすくなります。

    青年期・成人期(16歳~)

    皮膚の乾燥やごわごわ(苔癬化)は更に進みます。特に上半身にその症状が多く現れます。手足の外側にごつごつ(痒疹)ができることがあります。顔の赤みがとれなくなったり、ぶつぶつ(丘疹)に混じってじくじく(びらん)ができることもあります。炎症をくり返すために首などにはさざなみ状の色素沈着が起こります。この時期には掻くことが「くせ」になってしまう人が多く、幼児・小児期から続いた「掻く→炎症がひどくなる→掻く」という悪循環が日常的なものとなります。合併症の中では特に、単純ヘルペス感染症や目の合併症などが起こり易くなります。

    生活の中で心がけること

    • 症状を悪化させる要因をできるだけ取り除き、ストレスの少ない生活を送りましょう。
    • 室内を清潔に保ち、適温・適湿の環境をつくりましょう
    • 規則正しい生活を送り、暴飲・暴食は避けましょう
    • 刺激の少ない衣服を着ましょう
    • 爪は短く切り、掻きこわしで皮膚を傷つけないようにしましょう
    • ストレス解消につとめましょう
    • 花粉の季節など洗濯物を室内に乾しましょう。

    治療で目指す最終的なゴールは、アトピー性皮膚炎であることをあまり意識しないで日常生活を送ることができる、あるいは周囲の人からアトピー性皮膚炎であることがわからないくらいにまで症状を改善し、その状態を維持していくことです。

    アトピー性皮膚炎は決して治らない病気ではありません。症状をコントロールしている内に治ることも期待できる病気です。そのためにも、きちんと治療を続けましょう。

  • 第5節 薬物療法など〔用途と用法を守る〕

    薬物療法

    アトピー性皮膚炎の治療において、最も大切なのは薬による治療です。適切に正しく薬を使うことで、症状を早く改善して、良い状態を維持することができます。現在、アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドの塗り薬とステロイド以外の免疫抑制薬の塗り薬(免疫抑制外用薬)があります。この2種は、効果や安全性が科学的に評価されており、日本皮膚科学会でも基本外用薬として推奨されています。

    ステロイドの塗り薬には「最強」「とても強い」「強い」「弱め(ミディアム)」「弱い」という5段階のランクがあり、それぞれの皮膚の症状の種類や重症度、炎症が起きている場所患者さんの年齢などを考えた上で、適切なランクの薬が選択されます。顔面は吸収が良いので原則として「弱め(ミディアム)」クラス以下を使用することになっています。用途と用法を守って下さい。

    擦り込むように塗るのではなく、塗り薬を「乗せる」ように、皮膚全体を覆うように塗り拡げます。薬を塗ったあとラップや市販の亜鉛華軟膏を塗ったリント布で患部を覆う特別な治療方法などもありますが、この方法が必要でない場合もありますので、必ず医師の指示に従ってください。

    免疫抑制外用薬はステロイドと作用機序の異なる抗炎症薬です。ステロイドでよくみられる皮膚を薄くするなどの副作用もほとんどないため、ステロイドの副作用が出やすい部位(例:皮膚の薄い顔、首、肘(ひじ)の内側など)によく使われます。

    現在、免疫抑制外用薬には大人用・子ども用の2種類あり、大人用の効果はステロイドの塗り薬の「強い」クラス、子ども用は「弱め(ミディアム)」~「弱い」クラスと同じ程度です。他にも痒みを抑えるために、眠気の少ない抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に内服したり、他の治療でなかなか良くならない重症の成人患者さんは、ステロイド薬の飲み薬やシクロスポリンという免疫抑制薬の飲み薬を飲んだりすることがあります。どの薬をどのように組み合わせて使うかは、医師がそれぞれの皮膚の状態をよくみて判断します。

    スキンケア

    ステロイドの塗り薬や免疫抑制外用薬で炎症がすっかりおさまった後も、2~3日おきに塗り薬を使ったり、炎症の再発を予防するためにスキンケアを行う必要があります。入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ち、入浴後には保湿薬を塗り、皮膚から洗い流された皮脂膜を補います。

    周囲の理解も大事

     蕎麦アレルギーなどは心筋まで発作を起したりします。カプサイシン(唐辛子)アレルギーなどは呼吸困難になる場合も有り、簡単にアレルギーだから皮膚障害だけでは無いのです。現在、国際線の航路では機内サービスでピーナッツが出されなくなったのも、アメリカでボーイフレンドが落花生を食べた後で、ピーナッツアレルギーの女性とキスしただけで女性が死亡した事件があったからです。

    心理的なストレス

    また、ストレスも症状を悪化させる原因のひとつです。特に、成人のアトピー性皮膚炎の患者さんでは、心理的ストレスから「痒くないのに掻く」のが癖になってしまい、そのために症状が悪化している例がみられます。このような場合は心理的治療が行われることもあります。

  • 第6節 連する病気〔素人判断より専門医〕

    アトピー性皮膚炎の人には、注意するべき合併症があります。「いつもの皮膚トラブルとは違うな」と思ったり「調子が悪いな」と思ったら、すぐに医師に相談しましょう。

    皮膚の感染症

    アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、バリア機能が低下していることや、掻き壊したひっかき傷があることから、細菌やウイルスに感染し易くなっています。

    とびひ(伝染性膿痂疹)

    抗菌薬の内服が治療の基本なので、皮膚科または小児科を受診します。他の園児・学童にうつす可能性があり、露出部に病変がある場合はガーゼなどでおおった状態で登園・登校してください。伝染性膿痂疹は2種類に分けられ、ひとつは水疱(みずぶくれ)を生じ、びらんを作る水疱性膿痂疹、もうひとつは炎症が強く痂皮(かさぶた)が厚く付く痂皮性膿痂疹です。

    水疱性膿痂疹は、初夏から初秋に多くみられ、乳幼児・小児に好発します。虫刺されや湿疹病変、すり傷などから発症し、小さな水疱ができて次第に紅斑を伴ってきます。水疱は破れてびらんとなり、離れた部位にも伝搬します。黄色ブドウ球菌が原因です。

    痂皮性膿痂疹は、季節に関係なく発症し、小児より成人に多くみられます。小さな水疱に始まり、膿疱とびらんを生じ、厚い痂皮へと変化していきます。発熱、リンパ節のはれ、時に咽頭痛など全身症状を伴うこともあります。また、アトピー性皮膚炎に合併する場合は激烈な症状を示すことがあります。原因としては連鎖球菌によるものが多いといわれています。まれに後遺症として腎炎を起こす可能性があります。

      このトビヒ(伝染性膿痂疹)とは、小児に生じる細菌感染症の一種。接触により、火事の飛び火のように広がることから、俗に飛び火(とびひ)ともいいます。治療は、抗生物質の内服や外用で、これは原因となる細菌を取り除くためです。また、対症療法として、痒みを抑えて掻きむしらないようにさせるため、抗ヒスタミン剤の内服という手段も追加されることがある。

    伝染性膿痂疹

    小さな傷からブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌に感染して起こります。傷の部分に薄い水ぶくれ(水疱)やかさぶたができ、それが周囲にどんどん広がっていきます。細菌に効果のある抗菌薬で治療します。

    水イボ(伝染性軟属腫)

    ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルスに感染してできるものです。プールや風呂のような肌と肌が触れる機会の多い場所で感染します。また、イボを掻き破ってウイルスが他の部分につくと、そこに新しいイボができ、イボが増えていきます。普通は子どもの病気で小学校1~2年くらいからは少なくなります。兄弟で感染しやすく、他の子どもにも感染しやすい病気です。軟膏を塗ったりピンセットで取ったり、凍らせて処理する治療もあります。

    単純ヘルペス感染症

    単純ヘルペスウイルスというウイルスが、アトピー性皮膚炎の患部に感染して、小さい水疱が沢山できます。酷くなると熱が出たり、全身の倦怠感を伴うこともあります。(カポジ水痘様発疹症)抗ウイルス薬で治療します。免疫力を回復させるため、十分に休養が必要です。分に休養することも必要です。

    眼症状

    激しい痒みのために顔を強く叩いたりこすったりすると、眼の病気になります。顔の炎症が酷い人によくみられる合併症なので、定期的に眼科医の診察も受けることをお勧めします。

    白内障

    眼のレンズである水晶体が白く濁る病気で、目がかすむ、見るものがぼやけたり二重三重に見える、まぶしく感じるなどの症状が現れます。15分程度の手術で治療します。

    網膜剥離(もうまくはくり)

    網膜がはがれる病気です。視野の中に見えないところがある、見たいものがはっきり見えない、蚊が飛んでいるように見えるなどの症状があります。放っておくと失明につながることも あります。手術で治療します

    悪化要因の除去

    アトピー性皮膚炎は、薬物療法とスキンケアを正しく行うことで、殆どの場合、症状をコントロールすることができます。しかし、それでも症状の改善がみられない時は、症状の原因となっているものや悪化させる可能性があるものを探し出し、それを取り除くことも大切です。

    2歳くらいまでの乳幼児ならば、食物に加え、汗、ダニ、ほこりなどの生活環境、細菌や真菌などが主な悪化要因と考えられます。2歳以上の場合はダニ、ほこりなどの生活環境、汗、細菌や真菌、ストレスなどです。生活環境を整えたり、皮膚を清潔に保つことで、できる限り悪化要因を取り除きましょう。

    また明らかに「これを食べると皮膚炎の症状が悪化した」とわかる食物については食事からできるだけ取り除くようにしますが、原因の確定には、専門の医師による注意深い検査が必要です。自己判断で安易に食物を制限したりしないようにしましょう。