第5章 な行の野菜 

ここでは「な」行の野菜に関して説明します。

インデックス 茄子(なす)  | 韮(にら)  | 人参(にんじん)  | 大蒜(にんにく)  | 葱(ねぎ)
  • 茄子(なす)

    ◆眼精疲労に効く茄子の皮
    茄子の成分は水分が90%以上で、ビタミンやミネラル類はあまり含まれていません。紫色の成分は、ナスニンと呼ばれるアントシアニンの一種です。抗酸化作用のほか、ブルーベリーと同様に眼精疲労をやわらげ、眼の働きをよくする効果があります。アントシアニンをしっかり摂取するためには、茄子の皮ごと調理しましょう。
    ◆茄子のアクには美容効果が
    アクの成分はポリフェノールの一種で、抗酸化作用が高く、細胞の老化を抑制し美容効果が期待できます。また、癌を予防するとともに、コレステロール値を下げて動脈硬化を防ぐ働きもあります。
    長時間アク抜きすると、ポリフェノールが流出してしまうので、水にさらすのは短時間に抑えましょう。アクがさほど気にならない方は、アク抜きの工程を飛ばしても問題ありません。
    ◆『秋茄子は嫁に食わすな』
     茄子は秋になると皮が柔らかく、実が締まって美味しくなります。この諺には、美味しいものを独り占めという意地悪の解釈もありますが、茄子には身体を冷やす作用もある野菜なので子供を産む女性に気をつかっての意味合いもあります。
    妊娠中の女性にも当てはまりますが、子供や高齢者にも食べ過ぎには注意しましょう。生姜を添えて調理することで、身体を冷やす作用を緩和することができます。

    第1節 栄養素

    ビタミンC、ビタミンB1、カリウム

    第2節 効能

    美容・美肌、癌予防、動脈硬化予防、コレステロール低下

    第3節 旬の季節

    6月~9月

    第4節 美味しい見分け方

    • 濃い紫色で光沢があるもの。(因みに、傷や変色は味には関係ありませんが、値段が安くなります)
    • ヘタの切り口がみずみずしく、ガクが鋭く尖っているもの。
    • 左右対称で全体にバランスがよく、ずしりと重いもの。

    第5節 賞味期限

    冷蔵庫で3~4日

    第6節 保存方法

    冷蔵保存
    しっかりとラップするかビニール袋に密封し、冷蔵庫の野菜室に入れます。冷やし過ぎると縮むので注意しましょう。
    冷凍保存
    基本的には冷凍に向かない野菜です。冷凍する際は、表面が焦げるくらいの焼き茄子にして表面の皮をむきます。焼き茄子の皮は、熱いうちにむくことがポイントです。中の具をラップに包んで保存しましょう。炒め物や汁物の具として、便利に利用できます。
  • 韮(にら)

    ◆疲労回復に効果的な野菜
    スタミナ野菜としても注目される韮の独特の香り成分は、アリシンという成分によるものです。アリシンには、ビタミンB1の吸収を促進する働きがあるため、豚肉などと一緒に調理すると、代謝が良くなり滋養強壮・疲労回復に効果があります。その意味で、韮を使った豚キムチはとても理にかなったメニューです。
    代謝の悪い人や虚弱体質の人はメニューに積極的に取り入れましょう。但し、韮は胃の弱い人には刺激が強過ぎるため、食べ過ぎには注意しましょう。
    ◆根元に多く含まれるアリシン
    アリシンの香り成分は胃を刺激して消化を促します。根元には、葉先の約4倍ものアリシンが含まれているので、捨てずに葉と一緒に調理しましょう。
    香り成分のアリシンは、切って時間が経つと、酵素作用で香りが強くなるため、調理直前に切るようにしましょう。また、細かく刻むほど香りが出るので、香りを抑えたい時は大きめに切って使うと良いでしょう。
    ◆免疫力を高める様々な効能のある野菜
    ミネラル成分のセレンは、抗酸化作用が高く、癌予防に効果が期待できます。また、血行を良くして身体を温め、風邪の予防や病後の回復にも効果があります。
    その他に、韮には胃腸の働きを整える効果もあり、「二日酔いには韮の味噌汁が効く」とも言われています。花粉症にも有効なので、免疫力を高めるためにも花粉の季節になる前から積極的に食べると良いでしょう。

    第1節 栄養素

    カロテン、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、カリウム、アリシン

    第2節 効能

    風邪予防、美容・美肌、癌予防、食欲不振改善、疲労回復

    第3節 旬の季節

    11月~3月

    第4節 美味しい見分け方

    • 葉の先までハリがあり、鮮やかな緑色のもの。(但し、緑色が濃過ぎるものは、筋があり苦みやエグ味があることが多い)
    • 根の切り口が新しく、変色していないもの。

    第5節 賞味期限

    2~3日

    第6節 保存方法

    冷蔵保存
    水に濡らすと傷みやすいので、乾いたキッチンペーパーを巻き、その上からラップで包みます。 冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。
    冷凍保存
    固めに茹でて、使いやすい大きさに切り、小分けしてラップで包んで冷凍します。
  • 人参(にんじん)

    ◆βカロテンは西洋人参に含まれる
    カロテン(carotene)は人参(carrot)から発見された成分だけあって、トップクラスの含有量を誇る野菜です。βカロテンは、体内でビタミンAに変わり、粘膜を強化して免疫力を向上させる作用があります。また、癌細胞、動脈硬化の抑制にも効果があります。特に、βカロテンは天麩羅など、油と一緒に組み合わせることで、吸収率を高めることができます。
    但し、カロテンが多いのは、オレンジ色の西洋人参です。金時人参など東洋種は、トマトと同じリコピンを含み、抗酸化作用が高く、活性酸素を抑えて細胞の老化を予防します。他に、人参はカルシウムやカリウムも豊富に含み、骨や歯を健康に保ち、高血圧を予防する効果もあります。
    ◆カロテンは皮の下にたっぷり
    カロテンは表皮の下に最も多いので、皮はむかないか、少し残す程度にして調理しましょう。そもそも人参は出荷される際に、きれいに洗われているので、食べにくい薄皮やひげ根は既に処理されています。本当は、調理前は洗う程度で十分なのです。
    ◆ビタミンCを壊す成分があるのは本当か?
    『人参にはアスコルビナーゼという、ビタミンCを破壊する酵素が入っている。』という通説があるようですが、これは間違いです。ビタミンCは、還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCとに区分されます。ビタミンCが分解されるのは、体内で酸化型ビタミンCに変質された時に起こります。
    アスコルビナーゼ(この酵素名は現在、学術用語ではない)は、この還元型ビタミンCを、酸化型に変化させる作用があります。ただ、体内で還元型が酸化型ビタミンCになっても、簡単にまた還元型のものに戻ることが研究によって解明されました。
    従って、体内においては、還元型も酸化型も同等と扱われるため、アスコルビナーゼを摂取したからビタミンCが破壊されるというのは誤りです。因みに、ビタミンCは、通常の調理過程で壊れることはほとんどありません。【出典】『ビタミンCは熱で壊れるは本当か?』

    第1節 栄養素

    βカロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム

    第2節 効能

    風邪予防、美容・美肌、癌予防、動脈硬化予防、高血圧予防

    第3節 旬の季節

    4月~7月、11月~12月

    第4節 美味しい見分け方

    • 表面が滑らかで、まっすぐ伸びているもの。
    • 全体的に色が鮮やかで、左右対称のもの。

    第5節 賞味期限

    5日

    第6節 保存方法

    冷蔵保存
    カットせずに水洗いした後、しっかりと表面の水分をふき取り、キッチンペーパーに包みます。そして、ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に立てた状態で保存しましょう。人参は、湿ると傷みが早くなるので、水滴がついたらこまめに拭き取るようにしましょう。
    冷凍保存
    水洗い後、食べやすい大きさにカットし、よく乾かしてフリーザー袋に入れて保存します。
  • 大蒜(にんにく)

    ◆滋養強壮と高い抗酸化力のある野菜
     大蒜は古くから滋養強壮に良いとされ、高い疲労回復効果があります。その効果のもとは、玉葱にも含まれる、硫化アリルの一種のアリシンです。アリシンは、心身の疲れを癒す効果があり、さらに体内でビタミンB1と結合し、新陳代謝を活発にして疲労回復に作用します。また血液をサラサラにする働きがあり、高血圧や動脈硬化にも効果的です。ビタミンB1が豊富な豚 肉やベーコン、ハムなどと組み合わせると、さらに効果がアップします。
    更に、アリシンには強力な抗菌・抗酸化作用もあり、風邪やウイルスから身体を守り、癌の予防にも効果が期待できます。但し、刺激の強い野菜なので、食べ過ぎには注意しましょう。
    ◆焦がさないように炒めましょう
    大蒜を炒める時は、焦がすと風味が台無しになってしまいます。一粒の中にある芽は焦げやすいので、取り除いておきましょう。また、熱い油に入れると焦げやすいので、火をつける前のフライパンに油と一緒に大蒜を乗せてから、加熱すると良いでしょう。

    第1節 栄養素

    カリウム、ビタミンB1、ビタミンB2、アリシン

    第2節 効能

    風邪予防、癌予防、動脈硬化予防、高血圧予防、疲労回復

    第3節 旬の季節

    5月~7月

    第4節 美味しい見分け方

    • 全体に白くふっくらとして、皮はしっかり乾燥しているもの。
    • 粒が大きくハリのあるもの。
    • 持った時に重みのあるもの。軽過ぎるものは避けましょう。
    • 切り口が白く、芽が出ていないもの。(1~5月ごろは、芽が出ているものが多いので注意しましょう)

    第5節 賞味期限

    風通しが良く湿度の低い日陰で、吊るして1~2ヶ月

    第6節 保存方法

    冷蔵保存
    冷蔵庫で保存すると、鮮度を保つことができます。但し、そのままビニール袋に入れるとカビが発生するので、必ず新聞紙にくるんで、野菜室で保存します。
    冷凍保存
    大蒜を一粒ずつフリーザー袋に入れて保存します。また、おろしてフリーザー袋に板状にして冷凍しておくと、使う分だけ折って利用できるので、調理の際に便利です。
  • 葱(ねぎ)

    ◆緑の葉の部分は、免疫力を向上
     葱は古来より薬用野菜として利用されてきました。漢方では風邪薬の成分に使用されます。葱の緑色の葉の部分は、βカロテン、ビタミンCに富んでおり、緑黄色野菜に匹敵する栄養価があります。βカロテンは、粘膜を強化して免疫力を向上させる作用があります。また、癌細胞、動脈硬化の抑制にも効果があります。
    ◆白い根の部分は、血液をサラサラに
    白い部分には、玉葱や大蒜にも含まれる、香り成分のアリシンが多く含まれ、体内に入ったビタミンB1の吸収を促し、疲労回復や、精神の安定化に作用します。また、血液をサラサラにする働きがあり、脳卒中や心筋梗塞などを予防する効果があります。アリシンの抗酸化作用は他のビタミンCと一緒に摂取することで、さらにアップします。
    ◆香り成分は逃げやすい
    アリシンは、細かく刻むほど多く発生しますが、時間がたつと揮発してしまうため、調理の直前に刻みましょう。また、刻んで冷凍しても、アリシンは逃げてしまうので、冷凍には適していない野菜です。
    香りには、胃酸を分泌させて、食欲を増進させる効果もあります。他にも、寒さが原因の腹痛や、肩こり、頭痛を和らげるといった働きもあります。
    ◆ぬめりは甘味と柔らかさ
    葱を切ると、ぬめりがありますが、これは甘みと柔らかさのもとです。食物繊維がたっぷり含まれているので、便秘の改善に作用します。風邪やストレスなどで身体が弱っている時にも効果があるので、積極的にメニューに取り入れましょう。

    第1節 栄養素

    カロテン、ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、アリシン

    第2節 効能

    風邪予防、美容・美肌、癌予防、動脈硬化予防、便秘解消、疲労回復

    第3節 旬の季節

    11月~2月

    第4節 美味しい見分け方

    • 緑の葉は、薄緑色でハリがあるもの。
    • 緑色と白のコントラストがはっきりしているもの。
    • 白い部分が長く、ツヤがあり、よく締まっているもの。
    • 首の部分が締まっているもの。
    • 全体的に重みがあるもの。

    第5節 賞味期限

    1週間

    第6節 保存方法

    冷蔵保存
    葱を保存する時のポイントは、白い茎の部分と、緑の葉の部分を切り分けて保存することです。これは、茎の部分の栄養が、緑色の葉ねぎのほうに流れてしまうのを防ぐためです。白い茎の部分は新聞紙に包んで冷暗所に立てる、もしくは冷蔵庫で保存します。葉の部分はラップに包んで冷蔵庫で保存しましょう。
    冷凍保存
    葱は刻んで冷凍もできますが、冷凍すると風味が逃げてしまうので、薬味としては利用できません。