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東洋医学基礎講座» 第4編 健康管理の食品ミネラル» 第8章 深呼吸» 第1節 深呼吸の意味

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<肺を動かすのは周りを取り囲む筋肉>

呼吸は、体に酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出す作業です。やっているのは肺で、肺の内部は無数の小さな袋(肺胞)に分かれていて、スポンジのような構造です。息を吸うと、肺全体が膨らんで肺胞に空気が入り、酸素を取り入れます。吐くときは、肺が縮んで肺胞から二酸化炭素を吐き出すわけです。

では、肺はどうやって伸縮するのでしょう?心臓や胃腸のように、筋肉で作られた内臓なら自力で動けますが、スポンジ状の肺には筋肉がないのです。伸縮させるのは、周りの筋肉の働きです。特に大切なのが横隔膜です。これがしっかり働くのが、深い呼吸の条件なのです。この横隔膜は、胴体内部を横断する膜状の筋肉です。ちょうど竹の節のように、胸と腹の境界線で“仕切り”になっています。すぐ上に肺が接していて、この筋肉が注射器のシリンダーのように上下に動くことで肺を伸縮させます。

呼吸に必要な動力の7割は横隔膜が担うと言います。文字通りの“縁の下の力持ち”です。でも「上下に動く」なんてどうやるのでしょう。カギは横隔膜の形です。リラックスしているときの横隔膜は、筋肉がストレッチされてドーム状に盛り上がっています。肺はドームに押されて上に縮みます。これが息を吐いた状態です。ここから収縮する時に、膜がぴんと張られてドームが平らになります。すると肺も下に引き伸ばされ、息が吸いこまれる。巧妙な仕組みです。横隔膜がしっかり動けば、肺の底面は5~10cmも上下すると言います。

この姿勢で呼吸してみれば横隔膜が自然によく動きます。仰向けになって足を椅子に乗せ、お尻の下にクッションを入れる。クッションの厚さは5~10cm。暫くするとお腹の力みがとれて、自然に深い呼吸になる。毎日少しずつやれば、呼吸が変わるはずです。

呼吸の浅い人は間違いなく横隔膜の動きが悪いです。胸やお腹が力んでいたり、姿勢が悪いと、横隔膜の力が抜けず、綺麗なドームにならないのです。すると収縮するときも力がうまく入らない。結果として肺の伸縮が中途半端で、空気の出入りが悪いというわけです。

横隔膜がドーム状に盛り上がるときは、内臓のサポートが大切なのだと言われます。息を吐くときにお腹の腹横筋が縮んで下から内臓を持ち上げるから、横隔膜が押されて盛り上がるのです。吸うときは逆に、横隔膜が内臓を上から抑えます。

悪い姿勢で固まった体は、肩の筋肉で息を吸います。猫背気味に体が固まっていると、横隔膜や腹横筋がうまく動かないので、体は仕方なく、肩や首の筋肉で息を吸います。これでは、肩が凝りやすいでしょう。これによって、横隔膜の動きと一緒に、内臓全体もゆったりと揺り動かされます。

深い呼吸は内臓へのマッサージなのです。これでお腹の血流が良くなり、冷えや便秘なども防げるというわけ。そのためには、腹横筋が収縮するときに横隔膜がリラックスする必要があります。本来、体はそういう筋肉の連動を自然にやっているのです。

<みぞおちが柔らかいまま息を吐き切れる?>

試しにみぞおちに指を当てて、息をゆっくり吐いてみよう。吐くほどに力が抜けて柔らかくなれば、横隔膜と腹横筋がうまく連動しています。でも、途中で固くなった(あるいは初めから固い)人は、横隔膜が力んでいてドームがうまくできない。そんな人は、下のポーズで呼吸してみよう。お尻の下にクッションをいれるのがポイントで、お尻を高くすると、内臓の重さが自然と横隔膜に掛り、ドームができやすい。暫くやっていれば、自然と深い呼吸になっていくので、お試し下さい。

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