草野宿(旧:筑後国有馬藩領 現:福岡県久留米市草野町草野)
概要
ここでは草野宿から次の吉井宿までのルートを掲載する。 草野歴史資料館前に掲示された案内板の内容をそのまま記載する。
草野宿・紅桃地区の伝統的町並み
この地区は、江戸時代日田街道の宿駅として栄えた名残を留め、 九州の日光と称される専念寺、須佐能袁神社、 寿本寺等の寺社、洋館建の草野歴史資料館(旧草野銀行本店)、 や医院、当時の商家、醤油屋、酒造屋の面影を残した母屋、土蔵、門等の建造物、発心川の清流と野面石積に伝統的な町並みの特徴を観ることができる。
町家は屋根、外壁とも統一的なものは少なく、 下屋・庇などもバラエティに冨んでいる。 これは昔から宿駅・在郷町として30種以上の職業を擁し、その機能の特性から均一でない建物相が現れているものかと思われる。 そのようなことから建物の個性が豊かで時代に応じた変遷がみられ、 しかも各時代の特徴が程よく融合した町並みを形成している。
初めて散策したが、例に依って駆け足でのものとなった。 宿場内は東西約600mほどの規模。古い町並みがよく保存された集落である。 メインの街道から一筋はずれた場所にもまだまだ見どころがありそうである。 これは次回の楽しみにとっておこう。
経路
須佐能袁神社(御旅所) 標高: 38.6m MAP 4km以内の寺社検索
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御旅所 - Wikipediaによれば、 御旅所とは、「神社の祭礼(神幸祭)において神(一般には神体を乗せた神輿)が巡幸の途中で休憩または宿泊する場所、或いは神幸の目的地をさす。巡幸の道中に複数箇所設けられることもある。御旅所に神輿が着くと御旅所祭が執り行われる。」という。 神社にはど素人の作者の判断ではあるが、この御旅所の敷地面積はすごいものがある。 東側の須佐能袁神社に勝るとも劣らないものである。
境内には文久元歳(1864)銘の狛犬の他、多数の石仏・石祠、お堂などがある。 この先から、草野宿の西側に枡形構造道路の始まりである。
山辺道文化館 標高: 37.5m MAP 4km以内の寺社検索
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街道はここで左に直角にカーブする。 この辺りの道幅は狭く、意外と車の往来も激しい。 歩道も無い為、くれぐれもご注意を。
山辺道文化館は大正初期に完成した木造二階建ての洋風の建物。 以前は病院であったという。 「若宮八幡宮風流」で使われる、神輿・獅子頭など地域の伝統的な品々が展示されている。 入場無料。 全体が水色のおしゃれな建物である。
草野郵便局側のカーブ 標高: 37.3m MAP 4km以内の寺社検索
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今度は右にカーブ。
寿本寺前 標高: 37.0m MAP 4km以内の寺社検索
寿本寺は虎谷山と号し、浄土真宗東本願寺派の寺院。 山門は市指定文化財である。 街道はこの先しばらくまっすぐである。
鹿毛家住宅 標高: 38.7m MAP 4km以内の寺社検索
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1780年頃に建築された草野宿では最古の家屋で、県の文化財に指定されている。 古くは醤油屋・はぜろう屋・質屋などを営んでいたという。
立派な門、間口の広さもさることながら奥行きの長さもすごい。 一種の「町家」形式の住宅ではあるが、作者のホームグラウンドである博多で見る町家と比べてスケールが全然大きい。
街道の向いには恵比寿様が鎮座している。
草野歴史資料館 標高: 39.2m MAP 4km以内の寺社検索
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草野歴史資料館は国登録文化財。 建物は明治44年築の旧草野銀行本店。 館内には、当地区の多数の文化遺産が展示されている。 朱色の柵と水色の建物。おしゃれなデザインである。
資料館脇にも恵比寿像が鎮座している。 石祠には文化2年(1805)の銘。
恵比寿1 標高: 39.4m MAP 4km以内の寺社検索
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一対の石灯籠の奥に扉の閉まった石祠と恵比寿様が鎮座する石祠が並んで安置されている。
ギャラリー山帰来 標高: 40.6m MAP 4km以内の寺社検索
古民家をうまく利用したおしゃれな店である。 ランチメニューもあるようである。 (ギャラリー山帰来 | 久留米市草野町のカフェ&ギャラリー参照のこと。)
恵比寿2 標高: 40.4m MAP 4km以内の寺社検索
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恵比寿像は信用金庫の駐車場の脇にひっそりと鎮座している。
須佐能袁神社・専念寺 標高: 38.6m MAP 4km以内の寺社検索
街道右手には須佐能袁神社が鎮座、向いの左手には専念寺が伽藍を構えている。
須佐能袁神社は「祇園社」とも呼ばれ、建久8年(1197)草野永平が勧請したとつたえられる。 明治19年に再建された本殿は神仏混合様式で権現造りという。 拝殿・楼門共に県の有形文化財。 拝殿の彫刻は見事。 サーバの容量が気になる所であるが、撮影したほとんどの写真を掲示します。 じっくり味わってください。
専念寺は別名「九州日光」と言われる、浄土宗の寺院である。 朱色の本堂・本堂内の装飾は見事なものという。 また、経堂・楼門も優美である。
恵比寿3 標高: 39.8m MAP 4km以内の寺社検索
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駐車場脇に鎮座している。
上野邸 標高: 39.7m MAP 4km以内の寺社検索
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上野邸前の案内板の内容を抜粋して記す。 建築の用語が頻出で作者はあまり理解できていない。 見事な造りであることは間違いない。
上野邸
(前略) 母屋が19世紀半ば(幕末頃)西側に続く奥座敷が明治期の増築とつたえられつたえられている。
二階建の入母屋平入で横に長い屋敷構えは町家としては珍しい。 さらにその敷地の北側にならぶ数棟の蔵は、往時は上野家所有のものだったそうである。
間取り通り庭を主屋側に、ゴゼンというべき部屋は吹き抜けで、格天上としている。 その部屋にある神棚は、斗垬で支えられており、 このような造りは他に例を見ない見事な造りである。 ミセおもてには「あげしとみ(風雨を防ぐもの)」が今でも残っており非常に珍しい。 奥座敷の違棚、付書院、天袋などで飾り北に入側縁を付けており、 全体的に意匠に優れているといえる。
久留米市